「特別な意味じゃないのよ。私はただ単に物覚えがすごくいいだけなの。それでね、あなた、番組の中でずっと黙っていたでしょう? あれ、私には分かったわ。だってビザのこと話してくれたのも覚えていたから。」
 「記憶がいいんだ。」
 「からかわないで聞いて。それで次の日に街に出たついでに注意してあなたの縫い目を探してみたの。そうしたらいろいろなところに残っているのを見つけたのよ。

うまく言えないけれども、あの縫い目を見た後に、わたしにも何か残るものがあったの。それで、MORIOがなんでこんなこと繰り返しているのだろうと思ったら、急にあなたに会いたくなったの。会って聞いてみたくなったの。ただそれだけの理由でここに来てみたの。」
 「それで、以前、僕が火曜日のMADDIEが好きだと言っていた事も覚えていて、MORIOのやつ、テレビに映ってた三番埠頭で火曜日に待ってるかもしれないって考えたんだね?」

   


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