「ごめんなさい。規則だから。」
「いや、もういいんです。」
「ちょっと、待って。 今からは、あなたがここのご主人なのよ。さあ、もう遠慮はいらないわ。最初はどうして欲しかったの?」
その時のMADISONの声の中に、それまでは決して感じることのできなかった暖かい誠実な響きを感じたのは、確かでした。
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2人の間に沈黙が流れました。感度の悪いラジオから、懐かしいボブマーリーの歌が聞こえていました。
断崖を背にもう一歩も引けないところまで追いつめられていた僕は、恐る恐る目をあげると、目の前の、ほとんど僕の腕の中の、この世のものとは思えないくらい美しい女性に舞戻って輝き始めたMADISONへ、そっと告げました。
「もしよかったら、キスしてくれますか?」
今城さん、今回もコメントは控えさせて頂きます。
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