Q:
リタイアメントビザでパースに12年住んでいます。リタイアメントビザから永住ビザに切り替えができると聞いたのですが、どのように手続きをすればいいでしょうか?
A:
永住ビザに切り替えというと正確ではありませんが、2018年5月8日以前にRetirement Visa(Subclass 410)かInvestor Retirement Visa(Subclass 405)を保有していた人は、2018年11月17日から永住ビザへの申請が可能になりました。移民局では、これをPathwayと呼んでいます。ビザの申請ですから審査がありますので、ご質問のような切り替えと言えるほど簡単ではありません。
Pathwayを使った申請は、Parent Visa(subclass 103)またはContributory Parent Visa(Subclass 143)への申請という少し変則的な方法で行います。但し、通常これらのParent Visa申請に必要なスポンサー(子ども)、スポンサー以外の家族の居住状況、Assurance of Supportという保証は免除されます。これ以外の条件は、健康状況、犯罪歴などを含めてParent Visaの要件を満たす必要があります。パースにあるParent Visa Centreに必要な書類とアプリケーションフォームを送付することで申請ができます。申請はオーストラリアに滞在中に行うことが要件となっているのでご注意ください。申請書が受理されるとブリッジングビザが発行され、現在お持ちのリタイアメントビザの期限が過ぎてもオーストラリアに合法的に滞在することができます。
Parent Visa(subclass 103)とContributory Parent Visa(Subclass 143)の大きな違いは、申請費用と審査期間です。どちらのビザも申請の際に1st Instalment、ビザが発行される前に支払う2nd Instalmentの2回に分けて申請費用を支払います。Parent Visa(subclass 103)の1st Instalmentは、夫婦の場合$6,055、2nd Instalmentは$4,040です。Contributory Parent Visa(Subclass 143)の1st Instalmentは夫婦の場合$5,155、2nd Instalmentは$87,200です。通常の審査期間はParent Visa(subclass 103)で20年超、Contributory Parent Visa(Subclass 143)で3~4年となっています。Pathwayで申請する場合は全く同じではないですが、これに準じた期間がかかるようです。もしPathwayを使って申請したParent Visaが却下された場合には、改めて現在お持ちのRetirement Visa(Subclass 410)またはInvestor Retirement Visa(Subclass 405)の申請ができます。
審査期間を考えると、申請はContributory Parent Visa(Subclass 143)が現実的です。申請の費用はかかりますが、Medicareに加入できたり社会保障の対象にもなり、希望すれば市民権も獲得できます。逆に、5年間有効なビザを更新し続けるためにはオーストラリアに一定の居住期間が必要になります。メリット、デメリットを熟慮の上申請されることをお勧めします。
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件名:ビザと移住係
鈴木 竜一郎
Japan Australia Settlements代表
1987年、 早稲田大学商学部卒業。 2000年にカーティン工科大学MBA卒業後、 2001年にエディスコーワン大学会計学修士卒業。
□ 登録税務代理人:25479352
□ 登録移民申請代理人: MARN 1173457
□ ファイナンシャルアドバイザー(AFP)