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対面開催は今年で最後。第53回日本語弁論大会西豪州選考会が開催!

8月26日、西オーストラリア州日本語教師協会(Japanese Language Teachers’ Association of Western Australia/JLTAWA)と西オーストラリア大学(The University of Western Australia)が主催し、国際交流基金シドニー(The Japan Foundation, Sydney)と在パース日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Perth)の後援で、第53回日本語弁論大会西豪州選考会が開催された。

協力・情報提供:西オーストラリア州日本語教師協会、西オーストラリア大学、在パース日本国総領事館
 

日本で活躍するパース出身のお笑い芸人、あのチャド・マレーンは今から約25年前に当弁論大会の西豪州選考会(高校生の部)で優勝し、そして全豪大会でも優勝。当時の優勝賞品はシドニ-から日本への往復航空券だったが、前例のないパース・シドニー間のチケットもプレゼントされ、日本へ行ったことを本人の著書で打ち明けている。

全豪大会の優勝者には引き続き日本への往復航空券が贈られている当大会の「第53回日本語弁論大会(Australian Japanese Language Speech Contest)」の西豪州選考会が、高校生の部に4名、オープンの部に5名の参加で開催された。各々参加者は日頃の日本語学習の成果を発揮し、日本語で熱弁をふるった。

今年限りでこの様なかたちでの開催は最後となるようだが、日本語弁論大会は日本語の向上を目指す人の目標として、またそれを聞く人々に日本認識の新たな視点を提供するものとして半世紀にも渡り開催された。

 


『第53回日本語弁論大会西豪州選考会の模様』



主催の西オーストラリア州日本語教師協会(Japanese Language Teachers’ Association of Western Australia/JLTAWA)のRosanne Jacobs会長から弁論大会についてのブリーフィングが行われた。


大会開催のための準備から当日の進行まで協力した西オーストラリア大学日本文化交流会(The Japanese Studies Society at the University of Western Australia/JSS)。この日の司会進行役を務めたのは、当会のMorio Freemanさん。


後援の在パース日本国総領事館の内藤康司総領事より開会の挨拶によって弁論大会はスタートした。


最初の発表者は、高校生の部のRyan Angさん。弁論テーマは「メディアの現実/The Reality of Media」


高校生の部で2人目の発表者は、Sidney Ericさん。弁論テーマは「職人と若者の未来/’Shokunin’ and the Future of Young People」


3人目は、Yuval Kidronさん。弁論テーマは「自然災害:影響・ダメージ・防止策/Natural Disasters: Effect, Damages and How to Stop It」


高校生の部の最後は、Kai Casspelherrさん。弁論テーマは「日本語の成り立ちと変遷/Origin of Japanese and Transition」


真剣な眼差しで参加者の弁論に耳を傾ける審査員4名と内藤パース総領事。審査員は手前からウォルシュ京子さん(JLTAWAの委員)、Laura Dalesさん(西オーストラリア大学教員)、原ノエルさん(在パース日本国総領事館)、二木響平さん(JLTAWAの委員)。


オープンの部の最初の発表者は、Rebekah D’Cruzeさん。弁論テーマは「日本のアフターピルの処方箋なしでの試験的販売とその欠点/The Morning-after Pill Trial in Japan and Why It Will Fail」


オープンの部の2人目は、Evan Jamesさん。弁論テーマは「意外なところで居場所をみつけた/I Found My Place in an Unexpected Location」


オープンの部の3人目は、Kaustav Bhowmickさん。弁論テーマは「シシポスと不条理な英雄/Sisyphus and the Absurd Hero」


当選考会のオーガナーザー兼西オーストラリア大学教員の川崎享子さん(写真上)は、各参加者の発表後にそれぞれのテーマについて質疑応答を行った(写真下:発表者のKaustav Bhowmickさん)。


オープンの部の4人目は、Lloyd Hotinskiさん。弁論テーマは「日本の倫理学と道徳教育/Japanese Ethics and Moral Education」


オープンの部の最後は、Arjie Alviarさん。弁論テーマは「言語の勉強の理由/The Reason I Study Languages」


全参加者の弁論が終わり、審査員からの結果発表までの間、参加者と聴聞客との間でしばし懇談が行われた。


参加者全員に賞賛の言葉を贈り、結果発表を行う審査委員長のLaura Dalesさん。


各州・準州の高校生の部門とオープンの部門の優勝者は、10月中旬にビデオ・エントリーにて全豪大会が行われる。高校生の部で優勝したSidney Ericさん。


オープンの部で優勝したKaustav Bhowmickさん。


大会閉幕に際し、参加者と審査員、関係者とで記念撮影。

 


『参加者のEvan Jamesさんにインタビュー』


大会を終え、オープンの部に参加したEvan Jamesさんにお話を伺い、流ちょうな日本語で答えてくれた。

パースエクスプレス(以後、PE):「今日は緊張しましたか?」

Jamesさん:「最初は緊張しました。でも、スピーチをしている間に聞いてくれている人の顔を見ていたら、今は緊張する必要はないなと思いました。なので、自分の気持ちは表現できたと思います。それと、他の人のスピーチでその人の考えや経験を聞けたのは良かったと思いました」

PE:「Jamesさんは原稿を持たずに発表していましたね」

Jamesさん:「暗記は得意です(笑。」

PE:「なぜ、日本語を勉強しようと思ったんですか?」

Jamesさん:「中学2年生の時に外国語の授業があって、フランス語、中国語、日本語の選択肢がありました。それで日本語を選び、勉強をしていく中で日本語が好きになりました。日本には2回、行ったことがあります。高校2年生の時に兵庫県に2週間、ホームステイをしました。もう一回は今日スピーチした、去年の9月から今年の2月まで6ヶ月間いた岡山です。その2回の日本で、もっと日本語が好きになりました」

PE:「日本の一番好きなものは?」

Jamesさん:「名古屋には行ったことがありませんが、味噌カツが一番好きな食べ物です(笑。それと、スピーチでも話をしましたが、日本の音楽が大好きです。岡山のレコード屋は自分の“居場所”でした!」

※Jamesさんの弁論タイトルは「意外なところで居場所を見つけた」。


情報元:
西オーストラリア州日本語教師協会(Japanese Language Teachers’ Association of Western Australia/JLTAWA)のウェブサイトはこちらから。


西オーストラリア大学(The University of Western Australia)ウェブサイトはこちらから。


西オーストラリア大学日本文化交流会(The Japanese Studies Society at the University of Western Australia/JSS)のウェブサイトはこちらから。


国際交流基金シドニー(The Japan Foundation, Sydney)のウェブサイトはこちらから。


在パース日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Perth)のウェブサイトはこちらから。


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