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『89分間 vs 1分間』 16年ぶりにオーストラリア代表が勝利!



2025年6月5日(木)、FIFAワールドカップ26(W杯26)アジア最終予選(3次予選)、C組第9戦がパースのPerth Stadium(Oputus Stadium)で行われた。試合結果は、オーストラリア代表が日本代表を1-0で下した。

57,226人の観衆でスタジアムが埋め尽くされた。試合前にはチケット完売の報道がメディアに流れたが、この数字はパースで行われた男子代表戦では最大を記録した。また、日本代表がパース入りした6月2日(月)から天候は雨続きだったが、試合当日は青空が見えた。

オーストラリア代表の先発は、けがのため招集外となったMFのジャクソン・アーヴァイン(ザンクトパウリ/ドイツ)の代わりにキャプテンマークを付けたGKのマシュー・ライアン(RCランス/フランス)や、今シーズンのAリーグでの活躍際立ったMFのライアン・ティーグ(メルボルン・ビクトリー)やFWのブランドン・ボレロ(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)がスターティング11に入った。一方、日本の先発はなんと9選手がW杯26最終予選に入って初のスターティングメンバーとして名を連ねた。

午後7時10分、キックオフ。試合開始早々から組織的に守るオーストラリア代表に対してボールをキープする日本代表。当たり前のように言われてきたフィジカルの差も特に感じさせず、攻める日本と守るオーストラリアの構図のまま、ほぼハーフコート内での試合は展開した。

後半も試合の流れは変わらない。攻めているようだが点の取れない日本と、攻められないけど点を取らせないオーストラリアの攻防。その状況を打開するためにベンチワークも慌ただしくなる。68分にはミッチェル・デューク(町田/日本)とジェイソン・ゲリア(新潟/日本)が、80分にはダニエル・アルザニ(メルボルン・ビクトリー)がピッチに送り込まれる。

しかし、大きな変化は生まれずその展開は89分まで続いたが、アディショナルタイムが告げられた90分目に試合は動いた。

後半開始から出場していたFWのライリー・マグリー(ミドルズブラ/イングランド)が個人技で日本のDF陣を崩し、ゴール前へクロス。そのボールをDFのアジズ・ベヒッチ(メルボルン・シティ)がゴール右隅にシュートを放った。そして、ボールはネットを揺らした。その瞬間、地響きと共にスタジアムには割れんばかりの歓声が巻き起こった。

アディショナルタイムの3分間が過ぎ、試合終了のホイッスルが鳴る。この試合の結果を受け、C組1位が確定している日本の勝ち点20はそのままだったが、オーストラリアは同16となり2位を死守し、かつW杯26自動昇格2位以内確保へ大きな一歩を踏み出したことになった。

 


写真で振り返るパースで開催された「オーストラリア代表 対 日本代表」

 

写真:Manny Tamayo

主に西オーストラリア・パースで活動するプロ・カメラマン。ビジネスから教育、ファッションやスポーツの舞台など幅広い業界にて活躍。スタジオ経営も行い、ロケでの撮影とスタジオでのポートレート撮影の両輪で数多くの実績を残している。

Website: https://mannytamayo.com.au/
Instagram: https://www.instagram.com/manny_tamayo/

 


 

<FIFAワールドカップ26(アメリカ・カナダ・メキシコ大会)>
2026年のW杯は、史上初めてアメリカ、カナダ、メキシコの3つの国の共催。16都市で行われ、出場枠はこれまでの32から48チームに拡大された。開幕戦は、2026年6月11日にメキシコのメキシコシティーで、決勝は2026年7月19日にアメリカのニュージャージー州で行われる。

 


【文】 今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。オーストラリアのサッカープロリーグ、Aリーグの開幕以来(2005年)、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとして、特にパースに拠点を置くパースグローリーの試合は記者席より取材をする。加えて、男女問わずオーストラリア代表戦の取材も重ねてきた。また2020年は、パースグローリー日本地区担当マネージャー兼通訳として太田宏介氏をサポート(関連記事はこちら)。2022年にはWA州のNPLで活躍した今田海斗氏の通訳も行う(関連記事はこちら)。


 

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