【前回までのあらすじ】
沢田百々子、45歳。拳銃をRisaから取り上げ、車を出すことをじた命じた恩田正平。後部座席では、変わらず百々子は監禁されている。
沢田百々子、45歳。拳銃をRisaから取り上げ、車を出すことをじた命じた恩田正平。後部座席では、変わらず百々子は監禁されている。
第36走者
Dan
「ドン、ガーガァーーー」
Risaは車の右前を縦列駐車の左後ろに当てながら車道に車を出した。耳障りな引っ掻き音は鈍く響く。ブレーキを踏まずに出たため、衝撃かなりものだった。
正平は、左後部座席から運転席のRisaのこめかみに拳銃を当てつつ、百々子を牽制している。と次の瞬間、曇りガラスで前が見えないボンネットに何かが乗った。そして、その何かは横にこぼれ飛んだ。まさに肉を打つ感触だった。
Risaはさすがにブレーキを踏む。正平は「ブレーキを踏むな」と怒鳴る。また車は加速を始める。そして、正平は「ワイパーだー!」と命令した。
極度の動転でウィンカーとワイパーを間違えたRisaだが、ワイパーが作動してもそこまで曇りは取れなかった。
「手で拭け!」の言葉に反応して、Risaがフロントガラスを右手でなぞった瞬間、反射的にブレーキパッドが踏まれた。無数のパトカーが目の前に立ち塞がっていた。その時、百々子は思った。「死ぬかもしれない」と…。
第37走者へ続く
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