【前回までのあらすじ】
沢田百々子、45歳。警察に包囲された車の中で恩田正平と2人きりになった百々子は、正平の生い立ちを聞くことになる。複雑な家庭環境によって正平が形成されたことが徐々にわかり始めた百々子だったが。
沢田百々子、45歳。警察に包囲された車の中で恩田正平と2人きりになった百々子は、正平の生い立ちを聞くことになる。複雑な家庭環境によって正平が形成されたことが徐々にわかり始めた百々子だったが。
第42走者
シャー
「子どもの頃からアメリカに来るまで、記憶の一部がないんだ。都合の悪いことは記憶に残らないようになっていたんだ。例えば、母親が父親以外の男を家に上げたことは覚えていて、その時の嫌悪感は体全身が震え上がるほど強いものだった。でも、それからの記憶が全くない。その男の記憶がなくなっている。そして、母親ともコミュニケーションが極端に減った。母親を恨んでいたわけではないけど、あえて関心を持とうとしなくなっていった。それにより、人の立場で物事が考えられなくなっていった。年を重ねるごとに周りがどうでもよくなり、都合が悪いことは避け、自分だけの世界に入り込んでいった。そんな自分のまま、アメリカに行き、君と出会ったのさ」
第43走者へ続く
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