本誌7月号(vol.246)でも特集した、パースを本拠地とするラグビーチーム、ウェスタン・フォース(Western Force)が独自で主催する『World Series Rugby』。そのエキシビジョン・マッチのトリとなる最終試合に日本屈指の強豪チーム、パナソニック ワイルドナイツが招かれ、8月17日(金曜日)にパースのnibスタジアムで試合を行った。
今号は、パナソニック ワイルドナイツのパース到着日の「リカバリー」や「キャプテンラン」、そして「試合当日」の模様をお届けする。
注)インスタグラムのアイコンがある写真はパースエクスプレスのInstagramでも写真や動画にて紹介されています。
リカバリー
8月14日(火曜日)
パナソニック ワイルドナイツの選手たちは、パース到着日の8月14日に早速、Cottesloe Rugby Clubでコテスローのビーチやインド洋をバックにリカバリーで体を動かした。
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キャプテンラン
8月16日(木曜日)
8月16日、パナソニック ワイルドナイツのキャプテンランが試合会場となるnibスタジアムで行われた。キャプテンランとは、ラグビーの試合前日練習のことを指す。
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■翌日に試合を控え、「キャプテンラン」後にお話しを伺った。
布巻 峻介 選手
Q:明日の試合への意気込みをお聞かせ下さい。
A:このパースという地で、ウェスタン・フォースという相手と試合ができるということは貴重な経験になると思っています。もちろん、良い内容で、試合に勝って日本に帰りたいです。
Q:エキシビジョンマッチとは言え、メンバーの顔触れを見ると本気度が伝わってきますが…。
A:はい、もちろん本気です。本気で戦います!
Q:日本のトップリーグが2週間後に開幕しますが、コンディションはいかがですか?
A:どの選手も良い感じで仕上がってきていますし、明日の試合も更にコンディションを上げるきっかけになると思っています。
Q:最後に、パースの印象はいかがですか?
A:実は寒いと聞いていましたが、温かいなと思いました。昨日、街中を歩いて見ましたが、ごちゃごちゃしてなくて良い街だなと思いました。
ロビー・ディーンズ 監督
Q:明日の試合で何を期待されていますか?
A:多くを期待しています。ウェスタン・フォースにとってもシリーズ最後の試合ですし、ファンにとってもたくさんのことを期待しているでしょう。両チームの力は拮抗していると思うので、良い試合になると思います。
Q:2週間後のトップリーグ開幕についてどうお考えですか?
A:我々がパースに来た一つの理由として、その2週間後のことを考え、良い準備になると思ったからです。日本からの移動も問題なく、明日の試合はトップリーグ初戦への良いウォームアップにもなると信じています。
Q:ラグビー界のレジェンとしてパースのラグビーファンに一言頂けますか?
A:明日の試合では、ラグビーにおける今までの経験や哲学、戦術でパナソニック ワイルドナイツのラグビーを皆さんにお見せできること、楽しみにしています。
Q:最後に本誌読者へメッセージを下さい。
A:コンイチハ!明日の試合は皆さんの期待に応えられる良い試合になると思います。お見逃しなく!スタジアムでお会いしましょう。
試合当日
8月17日(金曜日)
ウェスタン・フォースの勝利!
ウェスタン・フォース 50 – 45 パナソニック ワイルドナイツ
前半は、ウェスタン・フォースの3つのトライに対して、パナソニック ワイルドナイツが3つのトライと1つのペナルティトライで31-21とリード。しかし、後半開始1分、9分、12分、そして18分とウェスタン・フォースが4連続トライに成功させ、逆転。しかし、パナソニック ワイルドナイツもその後、2連続トライでくいさがるも、ノーサイド。この試合はエンターテイメント性を重視した大会独自のルールが採用され、加算される得点が変則となっていたため試合展開がスピーディだった。両チームとも多くのスコアを得て、接戦の好ゲームだったが、変則が試合展開を早めたということで当然プレーする選手には通常以上の運動量が課せられた。しかし、観ていた14,697人の観客にとって大満足の一戦となった。
【写真で紹介する】
選手たちの熱きプレーと共に、花火やスカイダイビング、生演奏にダンスショー、余興に最後はサイン会までが催された『World Series Rugby』を写真と一緒に振り返ります。そして、なっ、なんと、日本からあの人が緊急参戦しました!
「チャド・マレーン」のチャドが、生まれ故郷のパースに凱旋帰国!
パースで行われた世紀の一戦に緊急参戦!両チームの応援を盛り上げるためにピッチやスタンドの至る所に出没したチャド!スタジアムに観戦に来た多くの日本人観客にも「なぜ、チャドがパースに?!」といった驚きの声が掛けられたが、必至に両チームを応援しました!
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ラグビーの魅力がぎっしり詰まった好ゲーム!
■試合後、パナソニック ワイルドナイツ、ウェスタン・フォースの選手にインタビューをした。
山田 章仁 選手
Q:今日の試合の感想をお聞かせ下さい。
A:楽しかったです。負けてしまいましたが、フォースは一つ一つのプレーも強かったですね。
Q:古巣との試合になりましたが…。
A:当時クラブにいた人やパースで知り合った人と会うと、パースに帰ってきたなと思いました。良かったです。
Q:2週間後の日本のトップリーグ開幕に向けて抱負をお聞かせ下さい。
A:2018年はパナソニック創業100周年にあたる年なので、全て勝たなければならないと思っています。頑張ります!
Q:またいつか、パースに戻って来られたいですか?
A:はい、戻りたい!戻ってきたいですね。
平野 翔平 選手
Q:今日の試合を振り返って頂けますか。
A:自分たちのミスもあって、いつも通りのプレーができなかったですが、トップリーグ開幕までもう少し時間があるので、その点を修正して、開幕戦につなげたいと思います。
Q:パナソニック、そしてサンウルブズやその先は日本代表だと思いますが、今後の抱負をお聞かせ下さい。
A:日本代表に関して自分はまだ候補ですが、パナソニックでは開幕戦からスタメンで試合に出て、アピールしながら選ばれるように頑張っていきたいと思っています。
Q:パースの印象は、いかがですか?
A:オーストラリアはよく来ている方ですが、パースは特に街がきれいだと思います。散歩していて感じますね。また戻ってきたいですね。
Ian Prior 選手
Q:今日の試合の感想をお聞かせ下さい。
A:楽しかったです。負けてしまいましたが、フォースは一つ一つのプレーも強かったですね。
Q:パナソニック ワイルドナイツはいかがでしたか?
A:素早く、高い技術をもった選手が非常に多かったという印象です。
Q:試合を振り返って頂けますか?
A:今年のWorld Series Rugbyは、今日の試合が最終戦だったので特別な思いで戦いました。たくさん点が入り、エンターテイメント性にも優れていたと思います。また、多くのファンがスタジアムに足を運ばせてくれたことにも感謝しています。
Q:今後の抱負をお聞かせ下さい。
A:チームとしてこの後、国内リーグに参加しますが良い成績を収めたいと思っています。そしてシリーズとしては、来年もぜひパナソニック ワイルドナイツにも参戦してもらい、良き対戦相手として戦っていけたらと思っています。シリーズを拡大させ、特に西オーストラリア州のラグビーの発展へ力になれたらとも思っています。
「まっ、まさか?」と思った観客も!
日本のお笑いコンビ「チャド・マレーン」のチャドが応援で緊急参戦!
チャドと言えば、オーストラリアのパース出身。そのパースで世紀の一戦ともなれば、居てもたってもいられずに緊急帰国!
チャドの地元パースを拠点とするウェスタン・フォースに対して、チャドにとっては第二の故郷(?)の日本チーム、パナソニック ワイルドナイツの試合を盛り上げに会場の至る所に出没して、“チャド・ワールド”を振りまきました~!