今号は、日本での経験もふまえた投稿が寄せられました。
「一杯のコップには一杯の水」
流れる先にあるものは、みんな同じものだと思う。そこへ早く進むのか、それとも寄り道をしてゆっくり進むのか、それはその人次第。
例えば、お腹がすいて早く食べに行きたい。でも、そのお店への道中、自分が探していて、ほしかった靴が置いてありそうな服屋を発見して、立ち寄った。そうしたら、その服屋がセレクトショップで、服にも目移りして、気が付けば試着までしていた。
人気のホルモン屋のランチ定食を食べるはずが、服屋でたっぷり時間を使ってしまった。急いでそのホルモン屋に行ったら、ランチの営業が終了してて、お店にも入れなかった。前からこの街に来たら、そのホルモン屋の定食を食べることを決めていたのに。
でも、もうお店は閉まっちゃったんだからしょうがない。ここで、いつもだったら出直して、絶対にホルモン屋の定食を食べようと考えていたはず。しかし、よく考えてみる。いずれにしても、今は何かを食べなきゃならない。このまま何も食べずにはいられない。この後、どこかのお店でご飯を食べることになる。
それで見つけた2、3軒隣の、夜は居酒屋だけど、昼は定食を出しているお店。そこの焼肉定食を食べた。美味しいし、ボリュームもあって、値段も安い。大満足。あれ、ホルモン屋の定食のこと、すっかり忘れちゃってた。というか、わざわざそれを食べるため、また日を改めてこの街に来ようという気もなくなった。
つまり、流れ着いた先は“満腹”だったんだ。“おなかいっぱいになる”という流れの先をホルモンで満たすのか、焼肉になるのか、どちらでもよかったということ。
オーストラリアに来ても同じように考えている。行きつく先は恐らく、いっしょ。服屋に寄るのか本屋に寄るのかぐらいの違いで、結局は同じ何かに向かっているということ。一杯のコップには一杯分の水しか入らないし、それを抗って、多くの水を入れても零れるだけ。
どうせ行先は一緒なんだから、無理はしない。そんな感じで生きていけば、楽しさも増えるかなと思っている、今日この頃。
<投稿者>Let it go! 44歳 男性
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