「平成」の時代が終わり、新元号となった「令和」の時代がやってきました。幾度の時代を経て、多くの日本人が海外に出て活躍する中、やはり日本人にとって日本食は欠かせない存在です。そこで「令和」最初の今号特集では、そんな日本食料理の定番『ソース』をクローズアップしました。ただ、そのソースも海外では簡単に手に入れられないものもあります。「この料理にはあのソースがあればよかったのに」と残念な経験をした人も多いのではないでしょうか。そんな時に、どこでも買える調味料でそれらを火や包丁を使わず、混ぜるだけで作ってしまうレシピを、今回はパースで新しく開店したばかりの和牛焼肉専門店「牛園」のオーナーシェフの監修のもと紹介致します!
今回トライするソースはこの8つ!
オーストラリアではお馴染みのスーパーで購入した調味料を使って「日本のあの味を!」を叶える8つのソースを紹介します。混ぜるだけなのでもちろん時短レシピとなっていますが、これとこれを混ぜたらこれになるんだ!という新しい発見もたくさんあります。この特集で「あのソースがなかったからできなかった」メニューが、これからは食卓のレパートリーの一品に加わることになるでしょう!
●中濃ソース
煮込み料理の味付けや肉の下味付けなどにも使うことができるソース。
●濃厚ソース
トロリとしてソフトな風味のあるウスターソースの中でも最も粘度の高いソース。
●焼肉ソース
醤油ベースのにんにくが効いた、甘味が後味として癖になる焼肉ソース。
●浅漬けソース
即席漬けや一夜漬けとも呼ばれる野菜を短時間で漬け込むソース。
●タルタルソース
マヨネーズをベースに本来は香味野菜の風味も楽しめるソース。
●デミグラスソース
西洋料理の基本的なソースで、ブラウンソースを煮詰めて風味付けしたもの。
●コチュジャン
韓国の味噌と言われ、米に麹や粉唐辛子などが主材料の発酵調味料(ソース)。
●豆板醤
本来は唐辛子抜きのソラマメで作ったものだったので豆板醤と呼ぶ中国の味噌。
どこでも揃う 基本調味料
今回、本誌ではソースの元になる基本材料を以下の14個に限定しました。オーストラリア大手のスーパー(ColesやWoolworths、IGAなど)でも購入できるものを選択しています。
大豆、小麦、塩などを原料とした日本料理における基本的調味料の一つ。起源は諸説あるが、日本における最古の歴史は弥生時代とされている。
サトウキビやテンサイ、サトウダイコンのしぼり汁を精製し,結晶化してつくられる天然の甘味料。日本には奈良時代に海外から輸入され貴重品だったため医薬品として扱われていた。
穀物や果実を原料にした醸造酒に酢酸菌で酢酸発酵して作る。フランス語で酢は「vinaigre」で「vin aigre(酸っぱいワイン)」に由来し、漢字の「酢」と「酒」も部首が同じで、酒との関連性が深い。
原料のぶどうの皮を取り除いた非着色の果肉部分が、アルコール発酵することによって製造される。よって、黒い皮のぶどうからでも白ワインは製造される。白ワインは2,500年前から存在しているとされている。
昆布や鰹節などの食品を煮て出した汁。「煮出汁(にだしじる)」の略で、「出し汁」や「にだし」ともいう。料理に旨味加えるために用いられる。日本料理においては、だしは味の基礎となっている。
日本料理の代表的な調味料として日本国外にも知られている。大豆や米、麦等の穀物に、塩と麹を加えて発酵させて作る発酵食品で、日本が誇る伝統的な食品の一つ。
野菜やキノコ類、または魚などを原料にした調味料で、トマトを用いたものはトマトケチャップと呼ばれる。日本では「ケチャップ」と言えば「トマトケチャップ」のことを指し、世界的にも同じ傾向がある。
食用油と酢、卵を主材料としたドレッシング。当初は卵やオリーブ油などで作られるスペイン料理のソースの一種だったとされ、日本での国産マヨネーズが販売されたのは大正時代とされる。
19世紀初頭に英国のウスターシャー州・ウスターで食材の余りを調味料とともに入れ保存したことから生まれたソース(Worcestershire sauce)で、日本のいわゆる各種「ソース」はこのソースから派生している。
中国広東省発祥とされ、牡蠣の煮汁を煮詰めたものに砂糖や小麦粉を加えた調味料。独特の風味とうま味、コク味があり、広東料理をはじめとする中華料理に広く用いられている。
香味野菜の代名詞的存在であり、世界各国の様々な料理などに用いられる。栄養学的要素が多く挙げられる中、生臭さを消し、料理に食欲をそそる香味を付与するものとしても特徴的。
ごまの種子に圧搾等の加工をして作られる食用油。ごまは、油脂を取るのに使われた最初の植物のひとつとされ、遡ることインダス文明(紀元前2600年〜)で既に主要な油用植物として栽培されていたという。
乾燥させた唐辛子の実をすりつぶして粉末にした調味料(Chili Ground)。料理に辛味を加える。七味唐辛子は唐辛子に6つ薬味や香辛料を調合したブレンドスパイスとして知られる。
レモンを絞った果汁。レモンの栄養や効能は周知の事実だが、料理にも万能。保存料や添加物を使用しないで、レモン汁濃縮還元した100%のオーガニック系レモン果汁商品などもある。
ソース作り始めましょう!
和牛焼肉専門店「牛園」オーナーシェフの監修のもと、編集部スタッフもソース作りに挑戦!もちろん、作っている最中、味見のオンパレード。読者の皆さんに自信作をお届けしなくてはという使命感から調味料の混合黄金比率を見つけ出しました!自画自賛ですが、それも本当に「あのどことなく懐かしい、日本のソースだ!」になっています。ではでは、是非お試しください。
●中濃ソース
揚げ物にかけたり料理の隠し味にしたりすることもできます。日本国内ではソースメーカーの販売経路が影響しているようですが、関東以北で知名度が高いようです。
●濃厚ソース
料理名の「とんかつ」が枕となり、とんかつソースとまで言われているこのソースですが、焼きそばやお好み焼き、タコ焼きにもこのソースは合います。
ソースとSauce?
日本でソースと言えば、「あの黒〜いソース」を頭に思い浮かべる人も多いと思います。ただ、ここオーストラリアでの「sauce」は、その黒いソースが第一選択肢になるわけではありません。
ソース(sauce/ラテン語で塩味を意味するsalsusが語源とするフランス語に由来)とは、調理の際に他の料理に添えたり食材を調理する時に用いられる液状またはペースト状の調味料を指しますが、日本でソースと言えばウスターソース類全般を指すこと多いでしょう。理由は、日本では洋食の普及とソースの国産化により「ソースといえばウスターソース」という認識が広がったからのようです。このウスターソース類全般ですが、野菜や果実の作汁、煮出汁、ピューレーまたはこれらを濃縮したものに砂糖類、食酢、食塩及び香辛料を加えて調製し、これにでん粉などを加えて調製したものです。このウスターソースは「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」と細分化されています。この3つ、原材料や製造工程になどには大きく違いはありませんが、味やとろみに違いがあります。
1) ウスターソース
野菜や果実のパルプ質を製造工程中でろ過しているため、粘度が低く、さらりとした辛口のソースです。しっかりとした味が特徴なので隠し味にも使え、料理に風味を加えることができます。
2) 中濃ソース
“ウスター”と“濃厚”の中間ぐらいの適度なとろみがあり、ピリッとした味と甘くソフトな味の両方を持ち合わせています。煮込み料理の味付けや肉の下味付けなどにも使うことができます。
3) 濃厚ソース
とんかつソースとも言われています。野菜はもちろん、たくさんの果実を使っているので、パルプ質が多く、かつてはフルーツソースと言われていました。トロリとして甘くソフトな風味があります。
●焼肉ソース
食べる前に生肉をつける「もみだれ」でも、お肉を焼いてからつける「つけだれ」でも、どちらにも利用できます。お肉以外にも、チャーハンなどのご飯ものでも活躍します!
シェフが教える焼肉ソースの応用編
(和牛焼肉専門店『牛園』オーナー・シェフ監修)
<パースエクスプレスおススメ黄金比率>で混ぜたソースを弱火にかけて、完全に砂糖を溶かします。その際には、砂糖を焦がさないように、かき混ぜ続けましょう。そして、火を落としてからリンゴとにんにく、コショウを加えて、常温で一晩寝かします。翌日には、シェフがつくる【焼肉のたれ】が完成しています。お試しください!
●浅漬けソース
ソースに漬けてきゅうりは叩く、キャベツや白菜は揉んで利用してみましょう。忙しい朝のおかずの一品になること間違いなしでしょう!
●タルタルソース
日本ではエビフライやカキフライにお馴染みですが、ここオーストラリアではフィッシュ&チップスにいつものソルト&ビネガーではなく、このソースで味変を楽しんでみてはいかがですか?!
●デミグラスソース
洋食のハヤシライスにハッシュドビーフ、ビーフシチューにハンバーグ、オムライスなどには欠かせないソースですね。ここでは、ステップ1〜3で簡単に作れる方法を紹介します。
●コチュジャン
主に韓国料理の中で使われ、キムチチゲなどの鍋物やプルコギなどの炒め物、ビビンバなどのご飯ものの調味料として幅広く使われ、唐辛子の赤色が特徴的なソース(調味料)です。
●豆板醤
中国四川省が発祥で、主に中華料理の中で使われ、回鍋肉や麻婆豆腐、エビチリなどの炒め物、担担麺などの麺類にも使われているピリリと辛い調味料(ソース)です。
今回ご協力頂きました
和牛焼肉専門店「牛園」オーナー・シェフ、Khineさんに今特集のソース作りの監修をお願いしました。“焼肉は肉のクオリティとソース(たれ)で決まる”といった格言があるほどですが、Khineさんは日本の焼肉店で約5年の勤務経験があり、ソースへの想いもひとしおです。
Khineさんよりソース作りへのアドバイス | |
「Follow your heart, not go to a recipe. But you can trust “パースエクスプレスおススメ黄金比率” on this feature」 |
住所:110 Barrack St, Perth 電話:08 6249 4121
4月15日にパース市街地中心部のバラックストリートにオープンした和牛焼肉専門店。土曜日と日曜日は『和牛焼肉食べ放題』を実施中。和牛をお腹いっぱい食べれることから、すでに入店待ちのお客さんも!予約も受け付け中。
ここでも買えます
不二マート パース店
Fuji Mart Perth
A: Shop 13-14 29 Station St. Subiaco
T: 08 6162 8608 W: www.junpacific.com/fujimartper
ライオン オリエンタル フーズ
Lion Oriental Foods Co.
A: 13 Fitzgerald St. Northbridge
T: 08 9228 9898 W: www.lion-oriental.com
(Alfabetical Order/店名アルファベット順掲載)
特集「火を使わず、包丁要らず、混ぜるだけ パースで日本では定番のソースを作ろう! My Sauce Factory」はいかがでしたか?パースの日本食材取扱店やスーパーマーケットなどで購入できる調味料で自分で作る8つのソースのレシピを紹介しました。当記事を参考に皆さんもソースを自作をお楽しみください。