オーストラリアと日本をつなぐリンク・メディア『パースエクスプレス』

第19回 パースパノラマパズル リレー小説


 
今回は、2名の投稿者の複数掲載とさせて頂きました。

【前回までのあらすじ】
沢田百々子、45歳。サンフランシスコへ友人だったRisaに会いに来た百々子。そこで、15年前にパースで百々子へのストーカー行為で刑務所送りになった恩田正平とニアミスとなる。実は、その正平はRisaの妻となっていた。

 


 
第25走者
筆者:スッキリ
 
ワーキングホリデーでパースに行った頃のことを夢見ていた。Hay Streetにあったバックパッカーズで過ごした日々を…。いろいろな匂いが混ざった空気が、緩やかに流れていた。壊れていた部屋の扉もそのまま修繕されることなく、ベットのシーツもくたびれていたけど、なぜかそれが心地よかった。
 
パースの乾いた空気と直線的は日差し、寒暖の差に最初は戸惑ったけど、慣れれば意外と過ごしやすかった。道行く人のリズムも嫌いじゃなかった。むしろ、好感がもてて、優しい気持ちにさせてくれた。
 
でも、失恋から逃れるためのそんなパースの生活を徐々に蝕んでいったのが、恩田正平だった。バックパッカーズで日本人女子が襲われかけたのは、恩田の仕業だった。パースの街中でばったり会ったのも、偶然を装っての必然だった。大学で当時シェアメイトのリンを襲ったのも恩田だった。そして、あの最悪の事件も。
 
ベットで横になっていた百々子は、ふと目を覚ます。びっしょり寝汗をかいていた。そして、今すぐサンフランシスコをに出たいという衝動に駆られるも、身体が全くいうことを聞かない。何故なんだ?!
 
 


 
 
第26走者
筆者:きーだ
 
サンフランシスコから百々子を追いかけ、ストーカー行為を行った恩田正平から百々子に宛てたメールをここで紹介する。
 

百々子は俺のことを分かっていない。
もっと分かってもらいたい。
俺だけを見ていてほしい。
だから、他の人と話す必要はないよね。
俺のことを裏切らないでほしい。
でも、どうしても裏切ってしまうのなら、俺は百々子を叱らなければならない。
傷つくことで、俺の苦しみを分かってほしいから。
愛しているよ、百々子。
百々子のことを一番愛しているのは、この俺だから。
正平

 

第27走者へ続く

 
 
 

【投稿募集】

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件名 『リレー小説』係

 
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