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【速報】グローリーの背番号8番、左DFの太田宏介がスターティングイレブンに名を連ねる!


【Photo Image from Perth Glory Instagram】
 
デビュー戦、そして2試合目も後半途中からピッチに立ったグローリーの背番号8番、左DFの太田宏介がこの日は満を持して先発でスタート。まだまだコンディションは万全ではなかったが、前節のホームゲームの敗戦でこの日の勝利を掴むためには試合開始から太田の力が必要となった。
 

<Aリーグを知る記者の視点 A League Football Journalist’s Point Of View>
今シーズン(A League 2020-21 Season)から、Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパースグローリーの試合についてお届けする。

 

2020-21シーズンAリーグ パースグローリー試合結果 Matchweek 11
Wellington Phoenix 3 – 0 Perth Glory 会場:WIN Stadium

 
 
試合会場はNSW州のWIN Stadium。ニュージーランドに本拠地をもつWellingoton Phoenixがこの試合のホームチームだったが、アウェイチームのグローリーは試合開始から怒涛の攻めで相手ゴールに襲い掛かる。開始1分も経たないところでボールが太田のところへ。アーリークロスで背番号10番のAndy Keoghの頭に合わせる。2分後には太田がドリブル突破を仕掛けたり、相手のファールを誘いFKを得たり、ショートCKでゴール前に絶妙はクロスを入れるなど開始10分で何度も攻撃の起点となる太田。一方、今まで左サイドバックでプレーしていた背番号23番のDane Inghamが右サイドに移り、太田の攻撃的なプレーに影響されながら相乗効果で右からの攻撃も増し、波状攻撃となった。

前半13分には左サイドの太田からのクロスを最後は背番号15番のBrandon Wilsonのシュートで締めくくるも圧倒的にボールを支配するグローリーだったが、ネットを揺らすまでとはいかない。そして、18分には後方の背番号88番、Neil Kilkennyからのロングボールを相手DFの裏を突いたKeoghが抜け出し、シュート。相手GKの脇の下を抜けたシュートでグローリーが先制したかと思いきや、VARによってKeoghのオフサイド判定となり、得点は取り消された。オフサイドは相手DFよりスパイク1個分だけ前に出ていた。

前半23分にはゴール前で背番号9番のBruno Fornaroliが倒される。ゴールまで約20mのFK。セットされるボールの下には、右利きのFornaroliと左利きの太田。どちらが蹴ってもコース的には問題ない位置でのFK。オーストラリアで初の太田のFKを披露することになるのか?!

だが、Fornaroliの右足で振り抜かれたボールは相手選手たちで作られた壁から一瞬離れた味方選手に当たり、残念ながら得点には至らなかった。日本で数々の芸術的なFKを決めてきている太田の豪初のFKはお預けとなった。

理想的なボールポゼッションで優位に試合を進めるグローリーだが、このような試合展開ではとかくカウンターが戦況が変わる。グローリーがそのカウンターをもろに喰らった。先制点を許す。Wellingoton Phoenixにとっては最初のシュートが得点につながった。そして5分後、太田とポジションチェンジしていた反対側のSBのInghamのマークがずれ、追加点を与えてしまった。

試合はその後の10分間、そのままグローリーの優勢で展開。しかし決定力を欠き、前半終了。前半45分間のポゼッションはグローリーの64%対してWellingoton Phoenixの36%。シュート数もグローリーが7本で、Wellingoton Phoenixが2本だった。その2本が得点となっている。

後半開始後も攻め続けるグローリーだが、59分(後半14分)には痛恨の3点目を献上してしまう。その直後、グローリーが見せ場を作る。浅い位置からの太田の完璧なクロスはFornaroliへ。Fornaroliは体に当ててボールの方向を変える。そのボールを反射的に相手GKが弾いた。そして、またFornaroliが詰めるも相手GKはそのシュートを体に当てて防ぎ、こぼれ球をKeogh、背番号24番のDaniel Stynesへとつなぎ、最後はまたFornaroliがゴールマウスに押し込もうとすると、再度相手GKがそのフィニッシュを退けた。このゴール前の攻防はWellington PhoenixのGK、Oliver Sailの堅守が光り、結果的にはSailはこの試合のクリーンシートを達成している。

65分(後半20分)に太田はピッチを後にする。そして、最大5選手変更枠を使い、戦況を変えたいグローリーだったが、交代選手でもその流れは変えられず、数字で見れば3-0という完敗を記したグローリーだった。

試合後、電話インタビューで太田は「試合結果は残念でした。個人的にはチャンスメイクはできたと思っています。ただ自分からのクロスでも中(ゴール前)の選手とのずれが少しあるので、練習を重ねてそのずれを修正していく必要がありますね」と話してくれた。

2月26日から5日間で2試合のホームゲーム、その後、中4日でロングフライトと時差、暑さの中でのアウェイゲームといった状況も敗因に関係したのかもしれない。

また、太田はチームについて、失点を背負った時に個人で何とかしようと思うよりも選手間の連携で打開した方が良いのではといった内容の話にも触れながら「今はまず、パースに戻って身体も、気持ちもリセットします。今回、初めてのアウェイでの試合だったので、フライトを含めた移動によって体調の変化もあると思うので、パースに戻ってからの練習でもケガをしないように調整していきたいと思っています。今回はスタートからの65分間のプレーでしたが、徐々に心肺機能も上げていき、少しづつ長い時間プレーができるように準備していきたいと思っています」と語った。
 
【試合結果】
Wellington Phoenix 3 – 0 Perth Glory

得点:
<Wellington Phoenix>
Reno Piscopo(30分)
‎David Ball(35‎分)
‎Ben Waine(59‎分)
 
 
文:今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼任。
 
 
【参考】
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関連(外部リンク):太田宏介オフィシャルインスタグラム

関連(外部リンク):太田宏介オフィシャルブログ

関連(外部リンク):太田宏介オフィシャルツイッター







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