Mrs Mac's Pty Ltdの本社。近代的なビルの周りには、会長さんが好きなカリーの木が沢山植えられている。
Mrs Mac'sパイ工場リポート
街のデリやコンビニなどいろんな場所で見かけるMrs Mac'sのパイ。1955年に創業して以来、西オーストラリア州を始め今ではクイーンズランド州など東にもシェアを伸ばし、更には海外進出も遂げている、オーストラリアでも屈指のパイ製造会社。今回はパイに注目!ということで、パイの製造過程を知るべく、Mrs Mac'sのパイ工場にお邪魔した。
  取材協力:Mrs Mac's Pty Ltd  5-9 Marchant Way, Morley  www.mrsmacs.com.au


 

 平日のある晴れた朝。「工場見学したいのですが…」という編集部の依頼を快く引き受けてくれたMrs Mac's Pty Ltdの商品開発部門マネージャーのMaria Webbさんの言葉に甘え、Morley Bus Stationから程近い、Mrs Mac'sの本社を訪れた。一昨年の半ばに建て替えられた本社ビルは新しく、周りには緑が一杯。爽やかな笑顔の警備員に案内され、Mariaさんの下。簡単な自己紹介の後、白い上着と白いヘアキャップを手渡され、早速工場へと移動した。


 「衛生面でクリーンな環境を保つため、スタッフ全員、工場内では指定の上着を着用、髪の毛はヘアキャップの中に入れておくことが規則です。」
 工場では機械が作動しているので、耳の保護のためにイヤホンをつける。入り口で殺菌用の洗剤を使って手を洗い、さっそく中へ入る。大きな鉄板が床に敷いてあり、壁にはデジタル表示板が。
 「ここでまず、牛肉など運ばれてきた材料の重さをチェックします。」
 チェックを通過した材料は、それぞれ専用庫に保管される。最初に案内されたのは野菜室。すでに細かくカットされ、出番を待っている。肉をミンチ状にする機械の横を通り過ぎ、肉の保管室へ。ひんやりとした空間にプラスチックケースが並び、ミンチ状になった肉が詰められていた。よく見ると、微妙に色が違う。赤みが強い方はLow Fatの肉。現在Mrs Mac'sでは80種類のパイが作られていて、全てこの工場で製造、発送している。
 次に案内されたのはスパイス室。数種類のスパイスによって部屋の中に複雑な香りが充満。鼻をくすぐる。このスパイスは商品によって配合を変えるそうで、その中身はもちろん企業秘密。



本社ビルのすぐ横にある工場。1955年の創業以来、オージーに愛されている味がここで作られる。


手渡されたヘアキャップとイヤホンは使い捨て。工場に入る前に厳しくチェックされた。


チェックを通過した肉はここでミンチ状にされ、保管室へと運ばれる。


独特の香りでいっぱいのスパイス室。これだけで食欲をそそる。



 さて、いよいよパイの製造エリアに突入。まずは、先程のスパイスとお肉を混ぜ合わせる機械が登場。器の中ではグルグルとお肉がこねられている。
 隣の部屋では、パイ生地を作っていた。小麦粉を練り合わせる機械、薄く引き伸ばす機械、そして引き伸ばされたパイ生地に粉を振り、ローラーで巻き、1つ1つ束にしていく。
 その生地は、製造のメインエリアへと運ばれていく。流れ作業で滑らかに行われている工場内には、さすがオーストラリア!色々な国の人でいっぱい。Mrs Mac'sでは全国合わせて約450人(そのうち400人がパース)が働いている。この工場は朝5時から夜8時まで操業していて、従業員は2シフト制で働いているそう。日によって作られる商品の種類は違い、ビーフパイは1日に200万個、売り上げNo.1のソーセージロールは1日に100万〜300万個にも上る。
  大きな音を立てて動く機械に囲まれ、いよいよ製造のメインルームへ。まずはベルトコンベアの上にパイ型を並べ、運ばれてきたパイ生地を乗せていく。ベルトコンベアに置かれた型は機械によって型押しされ、パイの具を入れるためのくぼみが作られる。流れていったパイには次に、スパイスが配合されたミンチや野菜の混ぜ合わさったパイ具が詰められていく。この日製造されていたのはビーフチーズパイで、パイ具の上にとろりとチーズがトッピング。規則正しい動きで、次々と形になっていく。そして手作業でパイのフタとなる生地が被せられ、再び機械によって型抜きが行われる。
 型抜きが行われたパイを待ち構えている1人のスタッフ。手にはフォークのようなものを持っている。「中身が破裂しないようにパイの上生地に穴を開けるのですが、その穴の数によって商品の目印にもしています。ビーフチーズパイでは穴を3つ開けることになっています。」とMariaさんが説明してくれた。全ての作業を終え、最終仕上げとして表面に照りを出すため、溶かしバターが塗られていく。
 香ばしい匂いに誘われ部屋を移動すると、そこには巨大オーブンが。最終仕上げが行われたパイがコンベアの上に並べられ、次々とその中に突入。1番端には上に数字の書かれたパイが置かれている。「このパイは、出来上がりをチェックするために、その都度置かれるんです。」
 オーブンの反対側から、こんがりといい色に焼けたパイが続々出てきた!衛生上触れなかったけど、見るからにパリパリホカホカなビーフチーズパイの出来上がり!出来上がったパイは発送のため時間をおいて冷やす必要があるため、カートンに詰められてクーラー室に運ばれる。
 この日、広い工場内の別の場所では、人気No.1のソーセージロールも作られていた。やっぱり多くの人が機械を取り囲み、コンベアに乗せられた生地にソーセージをトッピング。このソーセージロールはパイとは違い、6畳分くらいのオーブン室に入れられ、じっくりパリッと焼き上げられる。


パイ生地製造エリア。薄く黄色がかった生地が次々と出来上がる。


ガチャン、ガチャンという音と共に具が詰められていく。


Mrs Mac'sの商品はビーフチーズパイの他にカレーパイ、ピザパイ、ステーキパイなどバラエティいっぱい。


焼きあがったパイはここに保管される。写真は今回案内してくれたMaria Webbさん。


オーブンの横には温度やコンベアの速さ調節を行うパネリングがあり、常にチェックが可能。


薄く引き伸ばされた生地が型にのせられているところ。



クールダウンしたパイが向かう次の作業は、パッケージング。製造エリアからリフトに載せられ、運ばれたパイ入りのカートンや、種類別の包装紙でいっぱいのこのエリア。4レーンあるパッケージングの機械ではそれぞれ商品ごとに包装紙がセットされ、次から次へとパッケージングされていく。密封された商品を手作業で箱に詰め、ダンボールに入れて完成。ここからMrs Mac'sのパイがパースを始めオーストラリア中に飛んでいくのだ。
 工場内を隈なくじっくり見学ができ、充実の1時間半。今回案内してくれたMaria Webbさん始めMrs Mac'sの皆さん、忙しい中ご協力ありがとうございました!


このリフトでパッケージングエリアへと運ばれる。


沢山の人でひしめくパッケージングエリア。


目にも止まらぬ速さでパッケージングがされていく。


Mrs Mac'sパイの出来上がり!


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