そ れはある日の朝、パースエクスプレスの公募で当選した僕達は、編集部が指定した場所で待ちながら、ふとつぶやいていたんだ。 「そろそろ冬も終わりだなぁ。縮こまっていた体がムズムズしてきた。こんな時は、スキッとスカッと動きたい!どこか、どこかこの欲求を満たしてくれる場所はないのかー!」 「ふっ。体を動かしたいだって?お安いご用さっ。俺について来な。お前らの五感を刺激してやるぜ!」 「はっ、あなたは一体・・・」 「名前なんて、とっくの昔に忘れちまった。俺はただ、お前らみたいな熱い心を持った奴らにちょっとばかり、弱いもんでな・・・」 哀愁漂う彼の背中に見惚れ、僕達は、謎の人物についていった。その先にある世界がどんなものかも知らないままに。
 
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