オーストラリアの医療保険には、メディケア(公的医療保険)と民間医療保険の2種類があります。民間医療保険の加入は強制ではありませんが、政府は増加する医療費負担の軽減のために生涯保険加入制度の導入や民間医療保険の払い戻しの実施など、民間医療保険への加入を奨励しています。

 メディケア
 
メディケアとは日本の国民健康保険に相当する公的医療保険で、1984年に導入。オーストラリア国籍、及び永住権保持者のみ加入することができます。メディケアの財源は税金(Medicare Levy)により賄われており、加入者の課税所得の1.5%が保険料として徴収されています。「Bulk-Billing」を行なっている医療機関では、キャッシュレス(その場での現金支払いなし)で治療を受けることができます。


※Bulk-Billing メディケアは、GP、専門医、公立病院の費用の85%をカバーしており、通常残りの15%が患者の自己負担になります。患者は治療等を受けた後に支払った金額の85%をメディケアに請求することができます(※但し、料金や医師によって自己負担の割合に差が出てくる場合もあります)。「Bulk-Billing」を行なっている医療機関では、自己負担分を患者から徴収せず、費用の85%を直接政府に請求するため、キャッシュレスで治療を受けることができます。
   
 
 メディケアの
 カバー範囲

 ●GPや専門医、公立病院での
   診察・検査・治療費用
 ●公立病院の入院費

 メディケアの
 範囲外

 ●歯科治療
 ●メガネ・コンタクトレンズ
 ●薬
 ●予防接種
 ●私立病院への入院・治療

 
 民間医療保険
 
オーストラリアには数多くの民間医療保険会社があり、各社共に様々なプランを用意しています。メディケアでカバーされないものも、これら民間医療保険に加入することで補うことができます。


●海外留学生医療保険
「OSHC(Overseas Student Health Cover)」

オーストラリアの留学生は、OSHCへの加入が義務付けられています。学校への入学手続きの際の費用に含まれており、支払い等が終了した時点でOSHCへの加入手続きも完了します。カバー範囲はメディケアとほぼ同様で、GP、専門医、公立病院での診察・治療費用を保険会社が負担します。

●海外医療保険

海外医療保険に加入していれば、診察・治療・入院・処方箋等の医療費がカバーされます。通常は日本に帰国後、保険会社に支払った費用を請求しますが、かかった医療機関が自分の加入している保険会社と提携していれば、キャッシュレスで診察等を受けることができます。また、救急車の搬送サービスはカバー範囲に入っていることがほとんどで、歯科治療もプランによってカバーすることができます。
   
 
 民間
 医療保険の
 カバー範囲例

 ●歯科治療
 ●救急車の搬送サービス
 ●私立病院への入院・治療
 ●病院の個室利用
 ●ペースメーカーや 義手足等の補助器具
 ●メガネ・コンタクトレンズ

近年、日本では年金の話が特に取り沙汰されていますが、ここオーストラリアの年金制度はどのようになっているのでしょう。

オーストラリアでは、国から支給される「老齢年金」(公的)と企業・個人が積み立てて退職後に受け取ることのできる「退職年金」(私的)の2つの年金制度があります。 老齢年金の受給は、オーストラリア国籍、及び永住権保持者で65歳(女性は61歳。2004年現在)から。支給額は単身、夫婦等の条件で変わりますが、隔週で一定金額が支給されます。 私的年金では、個人または企業が支払う掛け金(拠出)の金額によって、給付金額が変わる確定拠出年金制度が主流となっています。オーストラリアでは、少子化・高齢化社会からくる福祉財政の運営が困難になってきていることから、政府はこれら年金に厚遇措置を講じています。この年金制度を、スーパーアニュエーションと言います。2002年7月の法改正により、ワーキングホリデービザ保持者やビジネスビザ保持者といった一時滞在者の年金が、出国の際に払い戻しされることになりました。

 


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