藤原氏は、小手先の「論」を振り回すのでなく、13年のアジア放浪の中からようやく日本に辿り着き、その体験の中から日本社会と時代を写真で切り取り、世に問うという手法を使った。それはどういうことなのだろうか。藤原氏の仕事を通して、写真を撮るという行為を考えてみたい。
なぜ、写真をとるのか。私は常に、このことが頭の中にある。またそれに加えて、自分自身、フォトジャーナリストと名乗るからには、ジャーナリスト>ジャーナル>日々つれづれの事柄>時代の記録、ということにもこだわっている。
フリーの仕事を始めて、いつの間にか13年が過ぎた。この間、「自分もフォトジャーナリストになりたいのですが、どうしたらいいのですか」。この質問を何度となく受けている。
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まず、彼ら彼女らに、なぜ?なりたいのか、という動機を聞くことにしている。「ベトナム戦争時のフォトジャーナリストに憧れた。真実を報道したいから。写真が好きだから」
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