「『私の敵』が見えてこない」 by 宇田有三 

 ビルマの民主化指導者の一人・アウンサンスーチー氏(NLD:国民民主連盟総書記)は昨年5月、2度目の自宅軟禁から解放された。その時、ビルマやスーチー氏の解放に関しての報道は、「民主化問題」が中心であった。しかし、それではビルマの問題が正確に伝わっていないと思わざるを得なかった。それゆえ私は、地元新聞の解説欄に次のように書いた。

 「ビルマ(ミャンマー)の民主化指導者アウンサンスーチー氏が今月6日、軍事政権・国家発展評議会(SPDC)によって、 1年7カ月に及ぶ自宅軟禁を解かれた。
 ・・・中略・・・


 今回のスーチー氏「解放」の際には、 ビルマ国内の「民族問題」は一切触れられていなかった。今後議題に上るであろうNLDとSPDCの政治交渉の舞台に、40以上ある民族集団の代弁者を入れないと、1948年の独立時と同じように多数派のビルマ人と「少数民族」、 あるいは「少数民族」間の紛争が起きる恐れがある。
 

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