食料品や燃料の値上がりは続き、市民生活は今まで以上に苦しくなっている。この1ヶ月の間でも、街の食堂で供される焼き飯(350〜450K)などは、50〜100Kの値上がりをしている。
国連事務総長の特使としてマレーシア出身のラザリ氏は、SPDCとNLDとの仲介を続けてきた。氏は、ビルマに7度目の訪問することになっていた。軍政府は、そのラザリ氏とその背後にある国連へ向けて、軍政の柔軟姿勢をアピールし、それを理由に欧米からの経済制裁を緩めるための苦肉の策をとろうとしたと考えられる。
日本政府はこの4月末、すでにODA(政府開発援助)再開の閣議決定を行っていた。しかし、ODA再開は、このスーチー氏解放の前に決定されていたのだ。
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一部メディアは、スーチー氏解放によって援助再開が決定されたと伝えた。事実が逆転しているのだ。これはどういうことなのだろうか、考えてみる必要がある。閣議決定の情報を得ていた私は、それ故、今回のスーチー氏「解放」について、それほどの驚きはなかった。
オーストラリアは外国政府として唯一、ビルマ国内に人権委員会を設立し、軍政の関係者に「人権」についてのワークショップを行っている。法律よりも武力が幅をきかせるビルマ国内で、果たしてそのワークショップは有効に働くのだろうか。疑問である。
つづく
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