なぜだ。ここはフィリピンなのに。表通りに店を構えている雰囲気がグアテマラと似ているのだろうか。それとも街全体の印象なのか。また、タガログ語や英語に混じってスペイン語を使えるからだろうか(数字は主にスペイン語だ)。
 しかし、幹線を外れて裏通りの食堂に入ると、落ち着いたタイの田舎の雰囲気も感じさせてくれる。これは全く個人的な感覚だろう。一体なんだかよく分からない。しかし、なんとなくフィリピンが「ラテンアジア」と呼ばれるのが分かるような気がした。
 東南アジアの貧困の象徴であったフィリピンのトンド地区。そこにひろがっていた「スモーキーマウンテン」は1995年、フィリピンの対外的なイメージを払拭すべく閉鎖された。
 しかしそれは同時に、ごみに生活の糧を得ていた


人びと(スカベンジャー)の、生存するための手段を奪うことにもつながった。貧困に追いつめられ、ごみ捨て場で最底辺の暮らしをしていた彼らは、さらに追い詰められてしまった。
   


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