私はつい最近、自分の受け持つ写真講座の中で一つ質問を出した。
 ─ 「明るい服を着た子どもが200円持って、近くのコンビニにお菓子を買いに行きました。50円のチョコレートを買いました。さて、お釣りはいくら受けとったでしょう」
 設問の中の「近い」ってどのくらいの「近さ」、と受講生に聞いてみると。「200mくらい」「2〜3分」「歩いて行けるところ」。答えがいろいろ返ってきた。面白かった。距離で答える人、時間で答える人、感覚で答える人。
 さて、これをどう考えるかだ(ちなみにこの質問の期待していた答えは50円である)。

 何が言いたいのか。
 人は自分の経験の範囲でしか物事を判断できない。そういうことなのだ。いくら想像力を働かせるといっても自ずと限界がある。その冷たい現実を受け入れなければならない。人には、できることとできないことがある。写真を撮り続けながら今、私が感じていることである。しかし、私の思考や感じ方は、そこでストップしなかった。人間の発想には限界があり閉じているようでも、実はそうでもないとも思い始めている。
(つづく)


 


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