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[第14節] 電撃移籍

以下は、5月3日に石田から届いたメールの一部である。「日本のチームの練習参加は、クラブ側が許可してくれませんでした。来年もう1年、パース・グローリーでプレーして最高のシーズンにします」

 5月9日、レンタル移籍先のジョホールFAでリーグ戦に出場し、石田は次の日の10日にパースに戻って来ている。そして、12日には日本にいた。ジョホールFA での最終戦(22日)までにはマレーシアに戻らなければならなかったが、一時帰国は6月1日から始まる来季への準備のためだった。 5月14日、ヴァンフォーレ甲府は、ナビスコカップで大宮アルディージャと対戦し、0‐1で負けている。翌日の15日、石田は大木氏に電話をした。6月1日からの練習参加が不可能になったことを報告するためだった。しかし、その電話で大木氏は『現在チームは3連敗中。ミッドフィルダーの選手が故障した。代わりの選手を探している』といった内容を伝えた。石田にとって練習に参加して、自分の力を見てもらおうと思っていたが、練習参加の許可が下りず、全てが白紙になったと諦めていた矢先のことだった。そして、大木氏は石田に一言「お前は19歳の時よりかは上手くなったか?」と聞いてきた。石田は「もちろんです」と答えた。