[第12節] リベンジのために
サッカーをプロでやっている限り、日本代表のエンブレムが胸に入ったユニフォームを着て、試合に出たいとどの選手も思っていることだろう。もちろん、石田にとっても同じことが言える。以前のインタビューの時に「いつでも日本代表でプレーすることを目指している」と言っていた。しかしそのためには、結果を残さなければならない。石田自身も「できれば、ヨーロッパのチームで結果を残し、自分の力をアピールしたい」とも言っていた。 今年はW杯の年でもある。代表としてワールドカップに出場したい気持ちもあるに違いない。そのためにも、石田には限られた時間しかない。今回のマレーシア行きは、とにかく体をフィットさせるのが目的だった。シンガポールでプレーした経験をもつ石田にとって、マレーシアのサッカーがどのレベルなのかは熟知していた。オーストラリアのサッカーに比べ、数段実力が下がることも知っていた。だけどあえてその道を選んだのは、石田にも考えがあったからだろう。