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[第12節] リベンジのために

 ここ数週間、パースの新聞紙上でパース・グローリーの今後について報じられている。オーナーのNick Tana氏がクラブの売却を進め、事実上4月30日で経営権を放棄すると発表した。それにより4月30日までに新しいオーナーが見つからない場合は、オーストラリア・サッカー協会が暫定的に運営を引き受けることになった。協会側としては経営権の売却に尽力し、現在、4つの団体が購入に興味を示していると公表している。当然、来期も契約している選手やクラブ職員の今後の行く末が宙に浮いた状態になったわけだが、その点についても協会側が、新しいオーナーが就任するまでは面倒をみると表明している。
  それにしても、タフな世界である。保証などというものは、この世界にはない。石田が「サッカーの世界は瞬間、瞬間で変わる」と言っていたことを思い出す。今回も自ら新しい世界に飛び込み、いろいろなリスクを背負うことを分かっていながらも、マレーシアに行った。確かに来シーズンが始まるまでに、ベストなコンディションを作っておきたい。そして、チャンスが来てから準備するのではなく、いつでも動かせる体を作っておきたいと願うからこそ、自分で自分の背中を押す。NHK(BS−1)のサッカー番組にテレビ出演した時も「将来はヨーロッパでプレーしたい」と言っていた。いつそのオファーが届くか分からない。届いた時が万全でなければ、もう遅い。そうならないためにも、事前の準備が必要となるのだ。だから、今、石田はマレーシアにいる。