チャーリーは言葉とは裏腹に、優しく僕の肩に手をまわすと「おまえ、今日はもう帰れや。店の方はなんとかごまかしといてやるから。」といって歩き始めました。そして10歩
ほど歩いてから、チャーリーは思い出したように振り返ると言いました。
「それからおまえ、二度とあの店の中には入るんじゃねえぞ。間違いなく殺されるからな。」
その晩も次の晩も、僕はキャシーズには行きませんでした。
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毎晩、スタジオ69の近くのテレフォンボックスの中から、MADISONを待ちました。そして7日目の明け方、仕事を終えたチャーリーに、テレフォンボックスの中でうずくまっているところを、揺り起こされました。
「MORIO、MADISONはもうやめたらしい。だから、おまえがここにいても、もう何も始まらんよ。」
チャーリーの声が、うつろな心の中に響きました。
「おい、MORIO、もういい加減にしねえか。おまえら、たった3時間一緒にいただけなんだろう?」
今城さん、……。言葉になりません。
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