MADISONからのキスのおくりものは、もう言葉にならないくらい素晴らしいものでした。2人の唇が触れるか触れないかの微妙な境から、彼女の柔らかい唇に窒息させられてしまうのではと思うくらいの激しさの中まで、しかもそれがいつ終わるともなくどこまでも、どこまでも続くのでした。
彼女の息の中にミントの香りがしました。ブルーネットの髪の中に、夏の初めの潮騒の香りが確かにありました。
僕は、彼女に言われるままに目を閉じてベッドに横たわりました。そして僕の体の上に降り注ぐ彼女からのメッセージを、目を閉じたまま受け止め続けました。
でも、そうやって格好つけているのにも、限界がありました。ある瞬間から、
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僕の中に湧き始めた嵐のような情熱をおさえることは、もうできませんでした。僕はまるでおおしけの海へ乗り出してしまった船乗りのように、打ち寄せ続ける快楽の波をやっとのところで乗り越えながら、うねりの谷底と頂きとの気の遠くなるような狭間を、何度も何度も這い上がったり、突き落とされたりした挙げ句についに今までに見たこともない大きい波にさらわれて、気がつくと静かな入り江の砂浜に打ち上げられていたのでした。
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