表に出ると、もうすっかり秋の気配が流れ込んだ深夜の街並みに、強い雨がいつ終わるともなく降り注いでいました。僕はもやのかかったチャイナタウンを抜けて、今晩はどこまでも歩いていこうと思いました。そして、どこまでも歩いて行った先にあの入り江の砂浜があったなら、どんなにいいだろうと思わずにはいられませんでした。

 チャイナタウンのはずれの信号を、ものすごいスピードで水煙を上げながら1台のトレーラーが通り過ぎていきました。その時、ほんの短い間ですが、僕は確かにあの入り江の潮騒を聞いたのでした。けれども、急いで振り返えった道の向こうには、スタジオ69のネオンサインが、人気のない濡れた歩道の上にただ弱々しく光を放っているばかりでした。

今城さん、今回もまたコメントは控えさせて頂きます。

 


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