「MORIO、今日、何曜日か知ってる?」
「月曜日。」
「残念でした。もう、火曜日よ。」
「じゃあ、出会ったときの君は月曜日のMADDIEで、今の君は火曜日のMADDIEってことになるね。」
「それで、どっちがいいの?」
「もちろん、火曜日のMADDIE。」
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それが、僕たちの交わした、最後の会話でした。MADISONは、握っていた僕の手に力を入れて応えると、「MORIO、楽しかったわ」と言い残して、たばこの煙の立ち込めるホールの方に決して振り返らずに歩いていきました。彼女の背中が、みるみる月曜日のMADDIEに戻るのを見極めてから、僕はそっと人に気付かれないようにスタジオ69を後にしました。
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