エンドウ豆やトウモロコシ、ジャガイモの栽培をしたこともあった。卵は1日に2回集め、雌鳥に餌と水をやって、夜になると略奪者から守るために鶏小屋に閉じ込めた。卵泥棒は、主にボブデールゴアナというオオトカゲだった。狐とディンゴは夜な夜な鶏小屋で寝ている鶏を襲いに来た。狐とディンゴは飼犬のスポットに吠えられると大抵逃げていくものだったが、一匹ずる賢い奴が、何回か犬の目を欺いて鶏を盗んでいった。父は釣り針で罠をしかけ、それ以来このずる賢い侵入者は現れなくなった。こんな些細な事件も話の種になり、孤立して暮らす家族をほんの少しだが活気づけた。
子供の朝の仕事は牛を集めて搾乳し、乳からクリームを取り除き、残った牛乳を子牛にやることだった。
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学校ができてからは、きっかりの時間に家を出て、3キロの道のりをわき目もふらずに歩いて通った。学校が終わると同じ道を歩いて帰り、夕食までの間、朝と同じ仕事を繰り返した。週末は幾つかの農場の仕事をする他は、休養したり遊んだりした。両親は厳格なプロテスタントの家庭に育ったので、最低必要限度の農場の仕事以外は日曜日にはしなかった。私たち子供が、散策や泳ぎに遠出するのは日曜が主だった。
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