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Barefoot in the Creek

 

 酪農は農業の中でも最もコンスタントな労働を強いられる。朝晩二回、12時間おきに搾乳をしなければならず、長い一日である。丸一日家族が農場を空けてしまうと、牛乳の生産量ががた落になる。搾乳後は毎回、乳からクリームを取り除き、機具や分離機をきれいに洗わなければならなかった。豚や家禽にえさをやり、病気になれば看病し緊急事態が起これば側にいてやらなければならなかった。
 子牛の誕生はいつでも喜ばしい出来事だった。群れを大きくするために最初のころは雌牛が望まれてはいたが、子牛が生まれることそのものがうれしかった。

子牛はできるだけ早く母親から離されたが、最初の3日間は健康のために母乳を飲ませなければならなかった。その後は草を食べるようになるまで、なだめながら子牛に牛乳を飲ませ、私たちの指を吸わせながら手のひらの牛乳を指で伝え、口に入れてやった。
 そして徐々に私たちは農場の終わりのない、常に忙しく働きづめの日常生活や季節ごとの労働に埋没していった。そして、慣れや怠ってはならないというプレッシャーと日常の労働から将来の長期計画を立てる暇さえもみつけることができなかった。