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第43回「AリーグとJリーグが盛り上がるために」

赤道を挟み北と南に分かれている両国プロサッカーリーグは、シーズンの開始時期も違い、現在Aリーグはシーズン中、Jリーグはシーズンオフとなっています。今回のタイトルについては、様々な人たちが議論を重ねていると思いますが、あえて問うてみます!恒例の質問です。

 

Q  プロリーグが盛り上がるために何が必要だと考えられますか?

 

A  自問自答してみます。答えとなっていればいいのですが…。

 

 
まず、“盛り上がるため”の一番の方策は、『文化として』プロリーグが根付くことにあると考えています。人々にクラブに対する思い入れや愛着をもってもらうことが重要でしょう。オーストラリアと日本の文化的な違いもあり、共通の施策をあげるとこは難しいですが、人々がスタジアムやテレビ等で自然と観戦する文化が必要でしょう。そして、両国ともにナショナルチームは応援するが、地元プロクラブはそこまで執着しないという立場の方がまだまだ多く存在するように思います。プロクラブを自然と応援する文化も必要です。
 
次に、オーストラリアよりもまだまだ閉鎖的な国である日本にて、筆者は以前Jリーグが盛り上がるために、より『地元密着』度を増すことを提言しました。各県出身者枠を作り、勝手知った選手の活躍を期待することが盛り上がりにつながるのではないかと。また、歴史的な因縁(かつての藩時代の因縁)をより平和的に煽ることが、特に年配者の琴線に触れるのではないかと。要するに、各都道府県にほぼ万遍なく存在するが、世界的なビッグクラブに昇華させるほどの野望を持っていないプロクラブをより地元の方々に贔屓にしてもらうということです。あまりにも極論であったために少なくない反発を食らいましたが(笑)。一方、オーストラリアではどうでしょう?日本よりも開かれた国であるAリーグクラブのメンバー表を見てみると様々な国の選手達の名前があります。それは、国籍がオーストラリアであっても、その選手がどの国の移民の血を継ぐのかがわかり、そういった意味での“様々な国”ということです。かつて存在したナショナルサッカーリーグはクラブそのものが移民系の集団であり、民族間で衝突のきっかけになっていました。かつての火種を再び呼び起こすとこは得策ではありませんが、何かヒントがあるように思います。
 
3つ目に、各クラブに存在するサポーターの集まりである『サポーターズクラブ』を各クラブが助成する。いっそのことクラブの経営陣にサポーター枠を作り、サッカーファンがクラブの経営に影響力を持つというのはどうでしょう。
 
そして4つ目に、以前の記事でも述べましたが、例えばスーパースタークラスの選手を獲得すれば観客が増えるような施策は一過性に陥ってしまう可能性が高く、『身の丈にあった経営』をしなければなりません。現在の環境では、リスクが高すぎます。ビッグクラブとそれ以外のクラブの存在がリーグ全体の盛り上がりにつながるとも話をしましたが、それにはビッグクラブにふさわしい存在感を発揮するための実績を重ねる必要があり、相当時間がかかるでしょう。
 
最後に、サッカーファンにいかに強い『思い入れ』をもたせるかが重要であり、そのためにはきっかけ作りが必要ではないかと筆者は思いました。思い入れのきっかけは、各個人で様々だと思います。なので、様々なきっかけ作りが必要となるでしょう。例えば、両リーグでレギュレーションを変えてみたり、各クラブが様々な選手を獲得してみたりと。しかし、両リーグで1つや2つくらい他のクラブと違う施策やカラーをもったクラブが存在しても良いのではないかなぁ、と筆者は考えています。みんな同じような経営方針では、クラブの特徴が出にくいですから。加えて、その『思い入れ』を根付かせるためには、本誌を含めた全てのマスコミの力が必要不可欠でしょう。
 
最後に、本年迎えるW杯本大会の結果によっては、一時的ですが劇的な盛り上がりを期待できます。両国リーグにとってもA代表の活躍と良い結果が持たらされることを期待しましょう!

 


【筆者:junchang】2010年よりサッカーについての独自の見解を自身のブログ「junchang & the MFF」に掲載。1日2万ページビューを記録することもあり、記事がlivedoor系サッカーサイト「SOCCER JOURNAL(サッカージャーナル ※現在閉鎖中)」に転載されたこともある。 ブログ:http://blog.livedoor.jp/junchang512/

 







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