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エメラルドグリーンの海に黒い影。11月にはシャークアタックの犠牲で死亡者が!



 
2021年のパースのクリスマスは、観測史上最高気温の43.3度を記録した。そして翌日のボクシングデーは43.5度と連日43度を超えた。この暑さで多くの人たちが、クリスマス・ブレイクでビーチに訪れたが、パース近郊のビーチで相次いで“シャーク”の目撃情報が上がっている。
 
25日のクリスマスにはMullaloo Beach(マラルービーチ)やCoogee Beach(クージービーチ)、Port Beach(ポートビーチ)で、そして27日にはTrigg Beach(トリッグビーチ)の海でサメの姿が確認された。暑い日のビーチはパースの人たちにとって必要不可欠だが、サメの出没は穏やかではない。

実際に今年の11月6日、パース市内から車で約30分の“その”Port Beachにて、波打ち際からたった30メートル付近の浅瀬で泳いでいた57才の男性がサメに襲われた。午前10時頃の出来事だった。

小型のボートに乗っていた4人の少年たちが、襲われた場所から僅か数メートルの海上でこの男性が海中へ引きずり込まれるのを目撃しており、その場で直ぐに000(緊急連絡番号)へ通報、そして周囲で泳いでいる人達にサメの危険を知らせたそうだ。

その日は天気の良い週末ともあって家族連れやサーファーたちでビーチは賑わい、襲撃についてはビーチからの複数の目撃者がいた。メディアでは「白い大きなサメ」「大きな背びれ」「4メートル以上のホワイトポインターでは」といった目撃者の証言を紹介している。

犠牲となった男性はこのビーチでの水泳を日課としており、襲撃時にはこの男性の妻や子どもたちもビーチにいた。その後、当局の賢明な捜索が行われたが遺体は発見されず、ゴーグルだけが見つかった。また、その襲撃後の5日間で、再三サメが目撃されており、当ビーチは2回も閉鎖された。

そして、Port Beachでのシャークアタックから2日後の11月8日、パースから北に約125kmのLancelin(ランセリン)地域の海で、49才の経験豊富なスキューバーダイバーの男性が行方不明になっている。海上からも捜索が行われたが、結局その男性は見つかっておらず、4日間で捜索は打ち切られてしまった。シャークアタックの可能性が考えられている。

また、11月16日にパースの観光名所、ロットネスト島のビーチから100メートルのところにクジラの死骸が打ち上げられ、その死骸に多数のサメが集まっている模様がメディアで報じられた。実際に鯨の肉に噛みつき、引きちぎっている生々しい映像がSNSなどでも投稿され、人間へのシャークアタックの危険性も考慮されて、同日のロットネスト島のビーチは一時閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれた。


【安全に「ビーチライフ」を過ごすためには…(写真はイメージ)】

 
さて、2012年~20年の8年間でパースを含む西オーストラリア州でのシャークアタックは36件記録されており、国内で最も多かったのがニューサウスウェールズ州の61件だった。その8年間で襲撃による死者が最も多かった年は2020年で、西オーストラリア州とクイーンズランド州でそれぞれ3人、ニューサウスウェールズ州で2人、合計8人が命を落としている。その2020年の8人は、1年間の死者数で過去最高人数となってしまっている。

今年11月6日のPort Beachでのシャークアタックから遡ること、パース近郊でかつ人々が賑わうビーチで死者が出てしまったのは、2016年のMandurah(マンジュラ)のFalcon Beach(ファルコンビーチ)でサーファーが犠牲になってしまったこと以来だろう。つまり、5年ぶりの被害ともいえるが、今後夏真っ盛りのシーズン到来となるパースで、人々は更にビーチに行く機会は増えることは間違いない。くれぐれもメディアの報道にも耳を傾け、ビーチではライフセーバーの指示に従い、安全にビーチライフが過ごすことに留意すべきだろう。


【パースの人たちにとってビーチは切っても切り離せない生活の一部】

 
 
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