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ジンベイザメにとって最大の敵は人間である。ジンベイザメの美しい体型は多くの人を魅了し、その結果、国際貿易での価値が上がり、その大人しい性格と水面の近くを泳ぐ特性を逆手に取っての捕獲が相次いでいる。インドでは1999年から2000年にかけて1,000匹近くのジンベイザメが漁業によって殺されていることが分かっている。また、高級食材のフカヒレなどが採れることから、中国、台湾、香港などで多く捕獲されている。
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娯楽や商業目的の魚の乱獲や海水汚染、地球温暖化などによる環境の変化がジンベイザメのえさとなる小魚の減少の原因となっている。ニンガルーリーフでは、現時点ではほとんどの珊瑚礁がそのまま残っているが、近年の魚の乱獲によりレイシガイダマシ類のサンゴ食貝が数を増やし、珊瑚礁に害を与えていて、これにより珊瑚礁に生態系をゆだねている小魚が減少しているといわれている。このまま珊瑚礁へのダメージが広がると、ジンベイザメが回遊ルートを変更する可能性がある。
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ジンベイザメが1番危険にさらされやすいのは、十分な大きさになる前の段階である。大人のジンベイザメは自己防衛のために背中の表皮の厚さが平均で12cm〜15cmになり、外敵からの攻撃を受けにくいが、皮の厚さが不完全で小柄な幼いジンベイザメはクロカワカジキやヨシキリザメに食べられることがある。しかし近年、メキシコ近辺で大人のジンベイザメがシャチに殺されていたという報告も確認されている。
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ジンベイザメは音を使いコミュニケーションをとらないが、10〜800ヘルスの音を感知できることが確認されている。正確な情報はないが、ツーリズムや商業漁業などで使うボートの騒音により回遊ルートを間違え、迷ってしまう可能性も考えられている。
ジンベイザメの生態はまだまだはっきりしていないので、この他にも危険な要因がある可能性が十分にある。
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