さて、ゴミ処理の将来はどうなっているのでしょう。
ここでは、日本のゴミ事情もふまえ、
西オーストラリアのゴミ政策を紹介します。

日本では土地が狭いためか、ゴミ処理の方法として焼却が多ようだが、「オーストラリアでも、埋め立て地を確保するのは困難なことです」と、タマラパークのアレンさんは話す。誰であろうと、自分ではゴミは出すが、ゴミのそばには住みたくはないと思っているはず。しかし、それでもゴミは出続ける。日本同様、ゴミを減らす計画は、このパースでも模索され始めている。 先程紹介したタマラパークでも、リサイクルセンターを運営しており、無料で持ち込まれたゴミの中から、まだ利用できる物を選んで10〜20ドル程度の格安料金で提供している。リサイクルセンターに並ぶ商品は、自転車や棚、レンガ、ソファからコンピューターまで様々。手頃な値段で購入できるとあって、週末には1時間に100人も超える人が訪れるそうだ(7時45分から4時45分まで毎日営業)。 また、木材などをばらしたものは暖炉などに使う燃焼材として、無料で提供されている。通常のゴミにしても、分別なく袋に詰められたゴミを処理場で分別するのは難しい作業で、現在分別方法を模索中とのことだが、末端の家庭レベルであらかじめ分別を行っておけば、これほど処理がスムーズに行える方法はない。 西オーストラリア州では、2020年までに埋め立て地へ送るゴミをゼロに減らす「WAste 2020」政策が発表されている。現状、地域自治体レベルで行っている分別も、次第に基準が固定化していくことだろう。 MRCでも、「WAste 2020」を見通して、「85%ゴミを削減」「コンポストやエネルギー転換などによる再生利用」「再生製品製作のための石油削減」などを目的とした「資材再生施設」をNeerabup(ニーラバップ)に建設する計画を進行している。

■プラスティックコード

リサイクルに利用されるプラスティック。オーストラリアではその種類や特徴によって、7つのコードに分けられています。中には、私達の意識の中ではプラスティックと思っていなかったものも。自治体によっては分別をする際、このプラスティックコードの限定をしているところもありますので、参考にしましょう。

日本のゴミ事情
オーストラリアでは、各家庭に最低1つのゴミ箱が支給されます。自治体によっては資源ゴミ用に色付きのものも支給されます。2輪付きのオーストラリアのゴミ箱は、その形から、“Mobile Garbage Bin”や“Wheelie Bin”などと呼ばれています。これを、ゴミ収集車(Robotic Arm Vehicle)が、車に付いた2本の腕でゴミ箱を持ち上げ、中のゴミだけを回収していきます。ゴミ回収が終わっていつまでも放置したままでいると、自治体に回収されてしまう場合があるので注意してください。また、ゴミ箱が破損したり、紛失した場合は無料での修理・交換が可能です(※自治体による)。交換をする場合は、法的な申告書と申込用紙、警察の事件番号の取得が必要になります。
WAste 2020
WAste 2020とは、1999年に開催されたウェストマネジメントフォーラムでの内容を受けて、翌年4月に西オーストラリア州政府が立案したゴミ管理の政策だ。具体的には、5年間ごとの展望と、各期間毎の見直しや強化を踏まえながら、技術の研究・開発、公共的な指導教育、リポートを行い、2020年までに埋め立て地へ送っているゴミをゼロにするといったゴールに向けて対策を打ち立てていくというもの。実際、そのプランの中には、パース周辺に資源再生施設を建設することなども含まれている。 また、ゴミの発生するカテゴリーを、
●Construction & Demolition wastes(建設・破壊ゴミ)
●Commercial & Industrial wastes(商業・工業ゴミ)
●Problematic wastes(問題性のあるゴミ=タイヤ、バッテリー、電気系のゴミ、研究所系のゴミ、家庭からの危険ゴミ、廃油など)
●Green & Organic wastes(植物・有機ゴミ)
●Municipal Solid wastes(地方自治体の固体ゴミ)
●Controlles wastes(管理されるべきゴミ=アスベスト、酸性・アルカリ性ゴミ、臨床・医療ゴミ、爆発性・可燃性のゴミなど)
●Packaging wastes(包装するゴミ)
に分け、特に問題性のあるゴミ、管理されるべきゴミについては、環境に優しい対応を考慮し、3Rプログラムを広報していく一方、タイヤのゴムをロードマーキングとしてリサイクルするなどの具体的な方策も行うほか、ゴミの量そのものを削減する方法を模索していく。
<WAste 2020 の目指す5つのポイント>
1・ Sustainability(環境に優しい)
2・ Commitment(責任)
3・ Prevention(防止)
4・ Resource recovery(資源再生)
5・ Integration(融合)
State 3R
ゴミを減らすために政府が提唱している「3R」。このRとは、Reduce(減らす)、Reuse(再利用する)、Recycle(再生利用する)の頭文字を取って名付けられた。増え続けるゴミを減らすためには、まず捨てるものを減らし、次にゴミを再利用する工夫をして、それでも残されたゴミも無駄に廃棄していくのではなく、再生利用をしていこうということである。 日本では、2000年(平成12年)に循環型社会形成推進基本法が制定された。これは、廃棄物の最終的な責任を生産者に求めるもので、多量の製品を生産、消費し、破棄を繰り返す現在の社会システムから、再利用や再資源化をもって多量生産を抑え、廃棄物をなくす社会=循環型社会に変えていこうという内容が盛り込まれている。この循環型社会を実現するために、日本でも3Rが必要要素として挙げられている。 ゴミを減らすにはまず家庭や職場、学校から。あなたが今手に持っているものをゴミ箱に捨てようとする前に、3Rを実践してみよう。
●Reduce:買い物袋を持参するなどして、家庭や職場に持ち込むゴミを減らす。
●Reuse:ゴミとしてとらえる前に、その物の違う使い道を見つける。
●Recycle:有効利用できる分別をし、再生利用への努力をする。

 

パースのゴミ事情、
みなさんはどれだけご存知でしたか?
正しく分別して、ゴミを捨てていたでしょうか?
美しい、住みよい街を維持していくためには、
私達のレベルから努力していく必要があります。
これを機会に、ゴミの捨て方を知り、
正しいゴミの処理を 実行していきましょう。


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