パースエクスプレス Vol.191 2013年12月号
初戦の敗退後は、2勝2引分けとまずまずの結果を残してきたグローリー。日本人プレーヤーの永井龍選手もチーム最多の得点を決め、引き続きの活躍が期待される。(写真:Ryo Kuramochi)
試合日は、猛暑が予想されていたため、開始時間を遅らせる要求が両チームよりオーストラリアサッカー連盟に提案されていたが、要求は受理されず、予定通り午後2:30から試合が始まった。その日の最高気温は37度で、試合開始時は32度だった。 試合は、グローリーが優勢に進め、背番号8番の永井龍の惜しいシュートも含め、Adelaide Unitedのゴールを攻め立てた。しかし、先制したのはAdelaide United。すぐさま追いつきたいグローリーは、途中出場の背番号17番、Chris Haroldが後半24分にヘディングシュートを決め、同点とする。その後は、両チームとも果敢にゴールを狙うも、ネットを揺らすことなく試合は終了。試合後、グローリーのAlistair Edwards監督は記者会見で、「あのような自然環境下でスポーツ選手がプレーするのは完全に間違いえている。応援しに来てくれたファンにも失礼だ。なぜ数時間、開始時間を遅らせられなかったのか不可解だし、今後、同じようなことがあってはならない」と怒り心頭に捲くし立てた。
試合後の永井選手のインタビュー
「『マン・オブ・ザ・マッチ』の受賞は嬉しかったですが、自分の今の目標は得点を取ることなので、満足はできませんでした。シュートを打ち、攻撃の起点となったことで評価して頂いたのだと思いますが、チームも勝てていないのでまだまだです」
前半17分、背番号8番の永井龍選手の頭上を越えたクロスを背番号36番のWilliam Gallas選手が見事なバイシカル・シュートを見せる。 |
前半24分、後方からの絶妙なパスに背番号10番のJamie MaclarenがDFの裏に抜け出し、ループシュートでグローリーが先制する。しかし、元フランス代表で英国トッテナムから移籍した背番号36番のWilliam Gallas が、ふくらはぎのけがで前半32分に負傷交替し、その直後に同点に追いつかれる。後半は、両チームとも一進一退の攻防を繰り広げたが、27分過ぎに交替枠を使い、且つけが人が出たため、10人で戦いを余儀なくされたグローリー。そして、第4の審判により4分のアディショナルタイムが告げられた後、Marinersの背番号9番、Mitchell Dukeによって劇的な勝ち越し点を奪われ、試合終了のホイッスルが鳴った。
試合後の永井選手のインタビュー
「“こうしていれば”というシーンが多かったです。結果が出ていなかったので、途中交代は止むを得ません。監督が下した決断ですし、監督が絶対なので」
William Gallas選手について
「ギャラス選手は、本当にプロフェッショナルだと思います。準備も怠らず、練習前のウォーミング・アップも人一倍真剣にやっています。そして、人間性は素晴らしいですね。あれほどの実績と経歴をもった選手ですが、おごる姿勢は一切見たことがありません。本当にリスペクトできます。だからこそ、あの地位まで上り詰めたんだと思います」
アウェイのグローリーは、リーグトップを走るBrisbane Roarと対戦した。主力選手の相次ぐ負傷により、この日は大幅にフォーメーションが変更され、攻撃の起点を担う両サイドハーフの永井と背番号16番のSidneiが守備に追いやられ、防戦一方の試合となった。試合結果も、後半の12分にRoar の背番号7番、Besart Berishaに得点を決められ、その後も追加点を防ぐための守備で精一杯だったグローリーは、Round 7に続き連敗となった。
試合後の永井選手のインタビュー
「サイドハーフとサイドバックの両方をこなさなければならなかったフォーメーションでのプレー経験は、今までなかったと思います。スローインを担当したこともないと思います。今まで受ける側でしたので…。正直、体力的にきつかったですね。目標の得点にも程遠かったです」
練習中の負傷により、この日はベンチ外となった永井。この試合のスターティングメンバーは、21歳以下の選手が11人中7人と若い選手で構成された。 開始15分、Sidneiが豪快なミドルシュートを決める。しかし、35分に同点、後半3分に追加点を奪われるも、またもや15分にSidneiの絶妙なフリーキックをこの日キャプテンだった背番号23番のMichael Thwaiteがヘディングシュートを決め、同点とする。そして、37分に途中交替の背番号11番、Adrian Zahraが勝ち越し点を奪うと、終了間際にまたもやSidneiが強烈なシュートで4点目を決め、勝利を確実なものとした。
試合後の永井選手のインタビュー
「試合前日、監督には“できる”と告げました。ただ、チームの主力選手が半分以上、けがに見舞われている今、『これ以上無理をさせ、深刻なけがへと悪化したらもともこもない。今回は休もう』と言われました。少しでも試合に出ないということは得点を取るチャンスが全くなくなるわけなので辛かったですが、久しぶりに客観的に試合が観れたのは、次へつながると思います」
試所属チームのセレッソ大阪、2013年のJリーグを4位で終了
「若い選手で作られたチームなので、今回のリーグ4位は評価できると思います。自分にとっても刺激になりました。一緒にやってきた扇原 貴宏、山口 螢、柿谷 曜一朗、杉本 健勇が活躍できて良かったです。監督のレヴィー・クルピは退任しますが、自分がプロになってからお世話になった監督です。セレッソでプレーしている時はあまり活躍できませんでしたが、これから活躍して、恩返しができればと思います」
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