パースエクスプレス Vol.190 2013年11月号
2013-14シーズンのAリーグが開幕した。当コーナーではパースに本拠地を置くパースグロリーの試合結果や、同チームで今年2シーズン目を向かえたMF、永井龍選手のリポートやインタビューを中心にお届けする。(写真:Ryo Kuramochi)
開幕初戦の相手は、Adelaide United。グローリーのホームグラウンド「nib Stadium」の準備不足により、急きょグローリーにとってはアウェイゲームとなった。開始9分に先制されるも、11分にグローリーの背番号8番、永井龍がヘディングで同点とする。開幕戦で、かつグローリーの今シーズン最初の得点は永井だった。しかし、前半25分と後半19分に追加点を奪われる苦しい展開。終盤、Adelaide Unitedは2選手が退場処分となり、グローリーは数的有利になったが、最後まで点差を縮めることはできなかった。
試合後の永井選手のインタビュー
「試合にも負け、個人的にもプレーの持ち味が出せなかったので残念でした。ただ、得点が取れたということは結果を残せたので、次に繋がると思います。得点を取るとということがチームでの自分の役割だということもはっきりしていますし、今回の得点で今後も取れると確信できました」
初戦を黒星でスタートしている両チームが対戦。軽症とはいえ、けがで出場を見送ったグローリーの永井に代わり、背番号11番のAdrian Zahraがメンバー入りをした。試合は前後半を通して、共に決め手を欠き、無得点のまま試合終了。勝ち点1を分け合うかたちとなった。
試合後の永井選手のインタビュー
「軽症だったので試合には出場できたと思いますが、これからの長いシーズンを考えて、チームドクターやフィジオセラピスト、監督と話し合い、次回のためにも今回は休むことを選択しました」
(写真上)攻撃の起点とストライカーの二役をこなす活躍で、ホーム開幕戦の勝利を導いた。 (写真下)試合前のスターティングメンバー発表時のアナウンスと共に、電光掲示板に写真が映し出された。 |
ホームでの開幕戦を向かえたグローリー。今シーズンの初勝利を観たいと1万3,856人の観客がスタジアムに足を運んだ。けがから復帰した永井はスターティングメンバーとして、今シーズンの定位置である右MFのポジションに入った。前半のグローリーは、シュート数やボール所有率でHeartを大幅に上回る。そして後半5分、背番号10番のJamie Maclarenが相手DFのミスをついて待望の先制点を挙げる。その後も、右の永井と左のMF、背番号16番のSidnei Sciolaの両選手が再三チャンスを作り、押し気味に試合を進めたグローリーが今シーズン初勝利を収めた。Heartのキャプテンで背番号10番のHarry Kewellはけがのため、ベンチ外だった。 Unitedは2選手が退場処分となり、グローリーは数的有利になったが、最後まで点差を縮めることはできなかった。
試合後の永井選手のインタビュー
「試合の2日前から全体練習に参加しました。けがからの復帰で、即スタメンに使ってもらい、周りからの信頼を感じています。スタジアムに多くの日本人が応援しに来てくれ、声援が力となりました。自身のプレーはまだまだですが、今日はチームが勝てて何よりでした」
(写真上)試合後のファンサービスも手を抜かない。チームメートの中でも、いつも最後までグランドに残り、丁寧にファンと交流する。 (写真左)Sydney FCのGK、背番号20番のVedran Janjetovicのファールを誘い、PKを獲得した。 |
ホーム連戦のグローリーは、けがから復帰の背番号10番、Alessandro Del Piero擁するSydeny FCを迎え入れた。開始9分、ゴール前の空いたスペースに瞬時に飛び出た永井へふわりとしたパスが出される。絶妙なボディーバランスでボールを胸でトラップした瞬間、相手GKが永井の背後にタックルし、審判は迷わずPKの判定を下した。そのPKを背番号14番のSteven McGarryが難なく決め、永井のプレーで先制点が生まれた。しかしその後は、Sydeny FC優勢で試合は流れ、一進一退を繰り広げるも、何とかその1点を守りきったグローリーがホーム2連勝を飾った。Del Pieroは後半16分に交替選手としてピッチに立つも、切れのあるプレーは見られなかった。
試合後の永井選手のインタビュー
「PKを得た時、自分が蹴りたいとチームメートに申し出ましたが、チーム内の約束として、蹴ることはできませんでした(笑)。次回、また同じようなことがあれば、蹴りたいですね。この試合、チームを勝利に導くプレーはできましたが、自分の課題は得点なので、満足できませんでした。今後も貪欲に得点を狙っています」
Aリーグ加盟チームの中で最も移動距離を要する両チームの対戦。試合は開始4分に動く。PhoenixのFKがファーサイドに流れ、そこに詰めた選手が押し込み、前半早々にPhoenixが先制する。しかし、アウェイでの失点といった嫌な流れを変えたのが、永井だった。前半29分、左から攻め上がった左MFのSciolaからのパスをゴール前で受け、相手DFやGKの逆をつくシュートで同点とした。後半は、Phoenixがいくつか決定的なチャンスを作るも、グローリーはゴールを割らせず、試合は引分けに終った。
試合後の永井選手のインタビュー
「パースからメルボルン、そしてニュージーランドへの移動、また時差もあるので身体には堪えますね。通常、アウェイの場合、試合前日に現地入りしますが、ウェリントンとの対戦は2日前に入ります。日本でもホーム&アウェイを経験してきましたが、これほどの移動距離はありませんでした。いい経験をしていると思います。試合では、得点を挙げるという目標はクリアーできましたが、できれば2点目がほしかったです。決められるチャンスもあったので、その点は悔やまれます。次回に活かせればと思います。次からまたホームでの2連戦となりますので、結果を出していきたいと思います」
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