Vol..119/2007/12
「流血のデモ鎮圧、その後」

 10月中旬、ビルマ(ミャンマー)の旧首都ラングーン(ヤンゴン)。外国人の姿をほとんど見かけない。そんな光景を目にするのは、ビルマに関わり始めて15年間で初めてのことだ。外国人の入国を制限するため、軍事政権(SPDC=国家平和発展評議会)は今、観光ビザの発給を停止している。特に日本人に関して厳しいという噂もある。一方、週末に町に繰り出すビルマ市民は、外食にショッピングにと日常生活を取り戻しつつある。
 一時期、スーレー・パゴダ(仏塔)前では、軍用トラックに乗った武装兵士たちが常時警戒して、町中には人影が消えていたのが嘘のようだ。デモ鎮圧から2週間後、ビルマ最大の都市を渦巻いた流血の惨事は見る影もない。

 
僧侶に対する過剰な弾圧が今回のデモの特徴である。一時、町中から一斉に消えた僧侶たちの姿がデモ鎮圧から5日後に 戻ってきた。頭を下げる僧侶の向こう側、オレンジ色の発電機のすぐ背後が、映像ジャーナリスト長井氏が斃れた地点である。
 


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