パースエクスプレスVol.116 2007年9月号

「囚われの身の人びと」

  9月の初め、数ヶ月ぶりに軍事政権国家ビルマから日本に一時帰国した。もっとも日本滞在は1週間あまりなので、気を緩めることはできない。ずっと気を張っていないと、数日後に現地に戻る気力を失ってしまいそうで、ちょっと怖い気もする。
 それでも、日本に戻ってホッとしたのか、久しぶりに熟睡し、朝起きると大きな伸びをしてしまう。ラジオのスイッチを入れて、知らずにウトウトしてしまう。懐かしいラジオのパーソナリティがしゃべり出して、話に耳を傾けていたら、ふと、自由っていいなあ、という感覚が胸に広がってきた。そう、自由っていいんだよな、と改めて実感してしまった。全く、自分でも意外な感覚だった。やっぱり安定した政治はいいもんだという実感が、じんわりと身体に広がってくるのが分かる(もっとも、そんな感覚の裏には自分の目には見えていない現実が、たとえ日本であってもあるのだということは重々承知している)。

 
ビルマ・マンダレー管区で遭遇した足枷の囚人。彼らが一般の犯罪者なのか政治犯なのかは分からない。2005年にインタビューした元政治犯によると、元政治犯たちは一般の犯罪者とは区別され、特別に足枷をさせられて強制労働に従事させられたという証言をしていた。この写真は、2日がかりで撮影に成功した。

 
 

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