ビルマ軍事政権は、国民の思想まで統制している。我々が当然だと考えている民主主義や人権、平等や公正ということを考えるだけでも逮捕・拘束している。もっとも、ビルマでは、彼のような存在は例外ではない。この国には今、1100人にも上る「政治犯」が収容されている。 どんな弾圧にも遭おうが、自らの正しいと信じる信条に従って生きる人びとを目の当たりにしたら、あれやこれやと理屈をつける前に行動せざるを得ない。そんな現実が、私の前に突きつけられている。ビルマでは、刑務所だけでなく、堀の外に住む人びとも囚われているといっても過言ではないだろう。それが私の取材の動機かな。