その日も朝からずっと雨だった。ようやく昼過ぎ、宿泊予定地のロッジに着いた。このロッジは囲炉裏が2つある本格的な宿泊施設だ。すぐに、びしょ濡れになったTシャツやズボンを脱ぎ、囲炉裏の傍にかけて乾かす。ガイド氏もポーター達も、火のそばに近寄って、まずは服を乾かす。34日間、ずっと歩き続けなければならないのだ。カゼをひいたら次の日が大変。 熱いお茶をすすって、ふぅ、と一息。雨の調子はどうかな。ロッジの高床式になった入り口に出てみる。おっ、そこにクンシンディーが立っている。濡れた靴と靴下を脱いで乾かしているのだ。彼の足を見て、びっくり。もう立派な大人の足だ。顔はこんなに幼いのに。そのアンバランスさが、山の中の生活の厳しさを見事に物語っていた。