パースエクスプレスVol.111 2007年4月号

「ヒマラヤ山系−東の端から(1)」

 ちなみに多民族国家ビルマでは、北部カチン州の人口の多くはカチン人(ジンポー族)である。だが、そのカチン州の最北地域では、ラワン民族が優勢な民族である。ビルマは熱帯という感覚があるが、ヒマラヤ山系の東の端に位置するこの地域では、雪が降る。それゆえ、寒い。昼と夜の寒暖の差は20度近くあるのではないだろうか。また、歩き始めるとその道中の厳しさに、半時間ほどで汗が噴き出す。だが、休憩のために足を止めると、10分ほどで身体が冷え始める。ジャケットを脱いだり着たり、体温調節が難しい。
 1月半ばのビルマの山中は、乾期の真っ最中だというのに、往路の後半、復路のほとんどが雨であった。さらに上り下りの厳しい山の中、歩く道も山肌に張り付くような場所ばかりで険しい。木々が生い茂る場所では、太陽が当たる場所も限られている。足を止めたら急激に身体が冷えるので、休憩のための場所も限られる。

 
宿泊のため、立ち寄った村にて宿泊場所をお願いする。火のついた囲炉裏の傍に、クンシンディーがやってきた。

 

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