子ども時代は、今それを思い出すだけで、胸が苦しくなったこともあるだろう。自分の思考がその嫌なこと一点だけに集中し、他のことを考えられなくなったこともあるだろう。言いようのない閉塞感があった(はず)。
大人になって振り返ると、たかが宿題が出来ないくらいでジタバタすることはないだろうと思う。今なら、まあペナルティはあるかも知れないが、どうにかなるだろうと思うことができる。だが、選択肢のない子どもには逃げ場がない為に、ちょっとしたことでも心底苦しんでしまう。今生きている時代と社会(家族と友人関係)、自分の身の回りの全てが、子どもにとって真っ暗になることもある。
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時間が物事を解決するということを子どもは経験していない。生活手段を親や保護者に頼りきっている場合、家を出るわけにもいかない。子どもには、経済的に自立するということさえどういうことか分からない。
子どもの心を持ち続けるとは、良い面と悪い面がある(というか、こういう2面的な価値判断もおかしいのかも知れないが)。
大人になって、あれこれと言い訳をし、物事をやり過ごす術を身につけると、子ども時代の純な気持ちを懐かしく思うものだ。 |