「『正論』、ちょっとやめてみません?」

 「西欧型の民主主義よりも、まず喰うために社会生活の向上を目指さなければならない」

ビルマ軍事政権は、自らの正しいと信じる論理(正義)と武力行動を押しつけてくる。その結果、インド・中国・タイの辺境地域に暮らす人々は、暮らしの向上よりも、今日を生き延びなければならない最悪の状況に直面している。彼らは、彼らの正義・正論を信じ続ける。

ビルマ東部カレン州内では、いまだに世界で一番古い内戦が続く。内戦や国軍の迫害の余波は、ビルマ全体では60万人を超える「国内避難民」の発生の原因となっている。また、主に戦闘から逃れるためにタイ領に逃れた避難民は、カレン人で約14万人、シャン人で20万人と推測される。さらに、統計には表れないHIV陽性の人口に占める割合は2.2%(推定)を超え、将来的に大きな問題となると危惧されている。

  「日本で報道されているように、ミャンマーは危ない国ではなかった。町の中は平和だったし、人々は優しかったですよ」

観光客の多くや視察から帰ってきた者はそう感想を語る。だが、軍事政権の銃口は、あくまでも自国民に向いているのであって、外国人に向いているのではない。そのことは余り理解されていない。

   


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