「『正論』、ちょっとやめてみません?」

 ビルマを語る時に問題となるのは、そこが軍事政権であるため、厳しい情報統制のため、信頼できる情報を得ることが極めて難しいことだ。さらに人々の本当の暮らしを記録するのは極めて難しい。諸問題がどのように絡み合っているのか、その実態はなかなか掴むことができない。私自身、報道写真家としてのこれまでの継続取材によって、通常の訪問では接触できない人々に会ったり、個人の外国人が立ち入ることの出来ない地域(西部チン州)に入ってきた。それゆえ、多くのことを見聞してきた。現地取材を終え、日本に戻ると、自分の見てきた実態を報告し続けている。だが、必ずしも期待していた反応が返ってくるわけではない。

取材活動の報告会には、勉強家で現地の生の情報を求めて真摯な姿勢で参加してくれる人が多い。だが、それがなかなか受け手に、現地の状況が血と肉となっていないように感じるのだ。それはどうしてなのだろうか。もしかしたら、報告内容や方法が間違っているのか?その原因を考え続けている。日本で、途上国に関わろうとする人の多くには実際、情報や知識はある。だが、その知的な資産を活用する方法が閉ざされているのはなぜか?
   


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