「青い稲穂の裏側に」

 2003年5月末、ビルマ(ミャンマー)の首都ラングーン(ヤンゴン)。以前にも増して停電が多くなっていた。ゲストハウスやホテルに宿泊している旅行者も不便な生活を強いられる。
 
その日も、朝食を取り始めたとたん電気が消えた。発電機が大きな音を立てて動き出すまでの間、ろうそくに灯りがともった。ほのかな光を前に、一緒にテーブルを囲んでいた英国からの旅行者は、うんざりとした表情で、私にビルマの現状をいろいろ聞いてきた。
 
「−公務員の月給は50(米)ドルにもならないの? 普通の人でも80ドル前後の収入? ビルマの人はどうやって生活をやりくりしているの?」

 

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