「『赦す』ということ 」

 中米グアテマラの内戦が終結したのは96年12月。戦争が終わって8年を経過し、戦禍の跡は今、表面上感じることはない。実際、首都や地方の村を訪れてみても、一般の人の軍に対する恐怖は、以前よりも薄れている。時間の経過に伴い、軍の暴力によって20万人近い犠牲者を出した歴史は、世界から忘れられようとしている。
 しかし、そんな中、コナビグア(「連れ合いを奪われた女性達の会」)は、今も虐殺された(であろう)父・母、夫、息子・娘などの肉親を探し続けている。
  軍部によって埋葬された「秘密墓地」での遺体探しは88年頃から始まっており、発掘に関する記事はこれまで、グアテマラ国内に限らず海外にも伝えられていた。それだけに今、とりたててニュースになることはない。だが、肉親を失った人々と−特にインディヘナと呼ばれる先住民族の人々は今も、犠牲者の遺体発掘を続けている。

 

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