2004年7月6日、中米グアテマラの首都グアテマラシティーの空は青かった。 中央公園に面する国家宮殿の2階広間は、地方から出てきた先住民族の人々で埋まった。彼らはこの日、彼らの代表であるロサリーナ・トゥユク氏が「国家補償委員会」の議長に就任するのを見届けようと全国から集まってきたのだ。 グアテマラの「内戦」は96年12月に終結。内戦の犠牲者は20万人を超え、その多くは人口の6割を占める先住民族であった。目に見える戦闘は終わった。だが、内戦中にグアテマラ社会に残した傷跡は、今も癒えていない。