「内戦は終わったけれど」

 −今回、「国家補償委員会」の議長役を引き受けた理由は?
 「国家補償の総予算3兆Q(=ケッツアル)の手始めとして、とりあえず3000万Q(8Q=1米ドル)を出すことを条件にしたのです。また、(政府側5名、市民側7名で成る委員会の)議長にあまり権限が集中しないように道筋をつけたかったのです。私の任期はたった1年です。私の次に誰が議長になるかわかりません。もし、政府の息のかかった人が就任したらどうなると思います? そのための歯止めをかけたのです」

 国家宮殿の2階広間。ロサリーナ氏が挨拶を始めると、あちこちですすり泣きが聞こえてきた。身内を亡くした先住民族たちは、補償を受けたからといって、失われた家族を取り戻すことができるわけではない。
 「私たちは単にお金が欲しいのではない。真実を求める声、正義を求める声を反映させていきたいのです」
 山の中で一週間前、虐殺されたであろう自分のお父さんの遺骨を探して、自らシャベルを握っていたロサリーナ氏は、そのことを強調していた。

 注)先住民ではなく、先住民族。インディオではなく、インディヘナという語句を使うことが求められている。
 

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