「『デジカメ』一考②」

 フィルムカメラの時代(時代とは、ちょっと大袈裟だが)には、写真が出来上がってくるまでに、ドキドキ感や期待感があった。だが、今は即、その場でイメージの出来上がりが分かる。ドンドン撮影し、ドンドンプリントする。なにか撮影も消費という行為の一部になってしまったようだ。これもまた、それが悪い、と言っているのではない。そういうものだ、と言いたいのだ。

 何やら堂々巡りのツボにはまりこんでしまいそうだ。
 それでは、「デジカメ」時代の撮影や記録は、現代社会の中でどういう意味合いを持っているのか−−−今度はその答えが出ないことに気づいてしまう。またまたやっかいな宿題を抱え込んでしまったような気がする。
 そうやって今、夜明け前の5時過ぎ、タイ北部チェンマイのホテルで、「デジカメ」のバッテリーを充電しながらひたすら考えを巡らせるのである。
 

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