事実上米国の後ろ盾を得た軍によって犠牲者が増大したグアテマラ内戦。その結末を加害者と被害者が同じ村に同居し続けるという状態の中、自分達の手で内戦の後始末をつけようとしている。
観光産業は、グアテマラの大きな外貨収入源である。観光客は、マヤ遺跡や鮮やかな民族衣装を身にまとう先住民族女性達を目当てにやってくる。だが、そこに住む、人間としての先住民族の負の歴史にまで思いを馳せることは少ない。虐殺の歴史は実のところ、500年以上前のスペイン植民地から始まっている。ほんの20年前の内戦の事実は観光客の目に触れることなく、再び歴史の中に葬られようとしているのか。
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*参考図書:『グアテマラ
虐殺の記憶』(岩波書店)、ジェニファー・ハーバリー『勇気の架け橋』(解放出版)『エヴェラルドを捜して』(新潮文庫) |