人口3万人あまりのアンティグアの街には、プライベートのスペイン語学校が約80ほどある。大体、メキシコ以南のアメリカ大陸は、スペイン語があれば、生活する上で、ほとんど事足りる。こんなにスペイン語が広がったのは、元はと言えば、500年以上前の西欧の侵略の負の遺産のはず。スペイン語なんて侵略者の言葉だ!そんな風に、今さら言い出しても仕方ないし、もはや、大きな歴史の流れには逆らえないのが現実。
しかしながら、グアテマラも田舎の方に行くと、スペイン語が全く通じない村落が未だに多く存在している。かたくなに自らの言葉や風習を守ろうとしてる先住民族の人々が存在するのだ。グアテマラは、実のところ人口の約6割が、インディヘナと呼ばれる先住民の国なのである。集権的な国家体制を作ろうとしていた権力者達には、自らの文化を継承しようとする先住民族の人々の存在が、実は抵抗者として映ったのかもしれない。その反動が、この国の80年代の虐殺の時代を引き起こした要因の一つかもしれない。
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こことの関わり合いは、それ以来である。アンティグアを訪れる度にお世話になっているのは、マコトさんという日本人が経営するスペイン語学校アタバルだ。今回も、アタバルで1日6時間のスペイン語の授業を受ける。マコトさんは、現地の女性と結ばれ、グアテマラで日本人として公式のガイドの資格を得、もう15年近くグアテマラに住んでいる。
最後に訪れた99年、マコトさんと何の気なしに世間話をしていた。何かのきっかけで、当世旅行者事情っていう話題になった。マコトさん曰く。
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